日大アメフト部“底なし”大麻事件のウラで「危険タックル」元コーチが敗訴 「除名は死刑に等しい」と指導者復帰を訴えるも門前払い

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 新たに約10人の部員の“大麻汚染”疑惑が浮上した日本大学アメリカンフットボール部。創部83年の「名門」が転落する最初のキッカケとなったのが、2018年に起きた危険タックル問題だ。実は今回の大麻事件にも「この時の“負の遺産”が引き継がれている」といい、ソレが垣間見える裁判が今夏、ひっそりと終結していた。

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 大麻と覚醒剤の所持でアメフト部3年生が逮捕されたのを受け、日本大学は事件や対応を検証する第三者委員会を8月24日に設置。その調査結果の文科省への報告期限は当初9月15日だったが、日大側が急遽、延期を申し入れる異例の事態となっている。

「日大側は“調査にさらなる時間が必要”と説明していますが、12日に開かれた学内評議員会で“約10人の現役部員が違法薬物に関与”した可能性が指摘され、調査対象を広げる必要に迫られたのが理由と聞きます。大麻汚染がアメフト部内で蔓延していた疑惑が深まり、今後、日大への批判が再燃するのは必至です」(全国紙社会部記者)

 すでに9月1日付で無期限の活動停止処分となったアメフト部だが、いまや「廃部」の瀬戸際に立たされているという。昨年7月に就任した林真理子理事長にとって最大の正念場を迎えつつあるが、そもそも林氏に白羽の矢が立ったのは、危険タックル問題や元理事長の脱税事件で揺れる日大の「建て直し」を期待されてのことだった。

「林理事長も就任にあたり、日大が抱える“病巣”の深さを見誤っていた可能性は否定できません。アメフト部の躓きは危険タックル問題に始まるというのが、大学関係者の一致した見方。それだけでなく、いまに続く同部のガバナンス不全や規律の緩みも、タックル問題の“後遺症”だと指摘する声は少なくない」(日大関係者)

「監督とコーチに指示された」

 危険タックル問題が起きたのは18年5月、日大と関西学院大学による定期戦でのことだった。関学のクォーターバック(QB)がパスを投げ終えたところに日大選手が猛タックル。関学QBは全治3週間のケガを負い、タックルを仕掛けた日大選手はその後、記者会見を開き「内田正人監督と井上奨コーチから反則行為を指示された」と話して謝罪した。

 内田・井上両氏とも「指示」を否定したが、関東学生アメリカンフットボール連盟は2人の弁明を「虚偽」と判断して、内田監督と井上コーチを除名などの処分に付した。

 井上氏が、その関東アメフト連盟を相手に裁判を起こしたのは21年5月。自身が関東アメフト連の競技運営細則に定める〈「チーム役員(コーチ)」たる地位を有することを確認する〉請求内容で、訴状にはこうある。

〈(関東アメフト連の)規律委員会が原告(井上氏)の除名処分の理由の根拠として最も重視した「関学大QBを潰せ」との(井上氏の)発言は「激しく当たれ」「思い切りプレーしろ」という意味であり、「怪我をさせろ」という意味ではない〉

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