「駄目かもです」上岡龍太郎さんが晩年に語っていた言葉 引退後に見せていた“未練”

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“駄目かもです”

 そんな愛弟子は、最晩年の上岡さんに生じた“異変”に気付いていた。

「師匠と最後に話をしたのは今年の正月でしたが、ちょっと咳き込んではったんです。私が“すみません、大変な時に電話して。大丈夫ですか”と聞いたら、“駄目かもです”って言われて、“えっ”と言葉に詰まりました。いつもの冗談とはちょっと違ったし、そんなこと言われたのは初めてでしたから。結局、電話でさまざまなアドバイスを頂き、師匠から“ライブやる時は、絶対電話を入れてね。絶対に観に行くから、電話に出なくても留守録入れてよ”と。それが最後の会話になってしまったんです」

 世間に沈黙を守り続けた上岡さんが、心を許した者に吐露した本音――。

週刊新潮 2023年6月15日号掲載

特集「沈黙23年『上岡龍太郎』の余韻」より

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