猿之助事件に専門家は「この量の薬では死ねないはず」 未成年者への性加害疑惑も新たに浮上

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罪名が変わる可能性

 もちろん、人間はラットとは違うといえど、

「段四郎夫妻は数十錠の薬を口にした」(前出・社会部デスク)

 という情報に基づけば、

「人間であれば1万錠を経口摂取して死ぬか死なないかといったものであるわけです。数十錠を飲んだだけで死に至るなんてことは、まず考えにくい」(堀氏)

 こうした全体状況にある中で、さる医療関係者は次のように解説する。

「フルニトラゼパムには筋弛緩作用があります。報道されているように両親の顔にビニール袋が被さっていた場合、薬の筋弛緩作用と相まって窒息死に至るおそれがあるのです。また、ブロモバレリル尿素を含む睡眠導入剤を併用した場合でも、よりいっそう強く呼吸が抑制され、死に至る可能性が高まります」

 甲南大学の園田寿名誉教授(刑法)に捜査の見通しを尋ねると、

「裁判では間違いなく“死因”が争点になるでしょう。今回は薬物中毒死の疑いがあるので、まずは使用薬物の特定が重要です。警察も現段階では自殺ほう助の線で動いているとは思いますが、仮に薬物が死の直接の原因ではなく、ビニール袋を被せたことによる窒息死だと判明すれば、嘱託殺人や承諾殺人に罪名が変わる可能性があります」

 今後の捜査の展開次第では舞台どころか、社会復帰さえ遠のきそうなのだ。

週刊新潮 2023年6月15日号掲載

特集「『猿之助』vs.『警視庁』 『自殺幇助で逮捕』後に『未成年性加害』捜査」より

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