【追悼】ボビー・コールドウェル「坂本九さんに親しくしてもらいました」

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 次々と大物ミュージシャンの訃報が続く。3月16日、訃報が伝えられたのはボビー・コールドウェル。AORの代名詞のような存在のシンガーソングライターで、名前は知らないという方でも、CMなどで必ず彼の曲を耳にしたことがあるにちがいない。
 日本にも頻繁に来て公演を行っており、大物日本人歌手との交流もあったのだという。
 生前の彼に2回インタビューした音楽ライター、神舘和典氏がその業績と素顔について寄稿してくれた。

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Mr.AOR逝く

“Mr.AOR”ボビー・コールドウェルが3月14日に亡くなった。享年71。死因は明らかにされていないが、2017年からずっと闘病を続けていたそうだ。

 1951年にニューヨークで生まれたボビーは1978年に、そよ風のようであり同時にアンニュイさも感じられる「風のシルエット」でメジャーデビュー。後にセルフカバーした、ボズ・スキャッグスへの「ハート・オブ・マイン」、ピーター・セテラへの「ネクスト・タイム」「ステイ・ウィズ・ミー」はどれも洗練されたサウンド。ライヴでは、歌うだけでなく、ギターやキーボードを演奏し、マルチプレイヤーぶりを発揮していた。

 AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)を代表するアーティストの1人として日本でも人気に。1980年代のバブル期にぴったりのサウンドは、夜のドライヴや間接照明の部屋でおしゃれな恋人たちに愛されていた。

 近年、再評価の気運が高まっているシティ・ポップにも多大な影響を与えたといっていいだろう。

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