【追悼】ボビー・コールドウェル「坂本九さんに親しくしてもらいました」

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坂本九との交流

 ボビーには2度インタビューしている。

 1度目は2012年。アルバム「ハウス・オブ・カーズ」をリリースし、東京と大阪でライヴを行ったときだった。会場に入ると、背中が広く開いたドレス姿の女性ファンがたくさん集まっていて、ボビーの歌と演奏に合わせて踊っていた。タイムマシンで1980年代に戻ったように感じたものだ。

 インタビューのときも、ステージと同じように上下黒のスーツで現れた。

「僕は1979年からずっと日本に来ています。日本では、生前の坂本九さんに親しくしてもらいました。彼は10歳年上で、感情を歌に込めることにかけて素晴らしい才能の持ち主でした。僕は彼を真似て、『上を向いて歩こう』を歌ってみました。でも、彼のようには歌えませんでしたね。僕は彼の亡くなった年齢をはるかに超えました。ステージにいる僕と客席にいるみんなが仲よく歳を重ね、今は時間と感情を分かち合っています」

 うれしそうに語っていた。

 このときのライヴで印象的だったのは新曲の「ゲーム・オン」。日本語に訳すと“イッチョやってやろうか!”という意味になる。自称・愛妻家で、食事の後には進んで食器を洗っていると自慢していた。そのときに叫ぶ言葉が“Game On!”だとのこと。妻はどう感じたかはわからないが、ユーモアのあるアーティストだった。

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