沼津バラバラ殺人、容疑者が事件前に見せていた“異変” 酔っ払いながら知人に語った内容とは

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 かつては皇室の御用邸が建ち、若山牧水が居を構え、太宰治が『斜陽』を執筆した駿河国の港町。「海のある軽井沢」ともいわれた沼津で、目を覆うべき事件が起きた。「不貞男」に出会い命を奪われた女性は、誰よりも故郷を愛し、高い志を抱いていたというのだが……。

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 バラバラに切断された女性の遺体が見つかった凄惨な事件。被害者は大きな夢を抱き、まさに志半ばで命を奪われてしまったという。

 2月23日、静岡県沼津市内で会社員の伊藤亜佑美さん(33)の切断遺体が見つかった。県警は会社員の土屋勇貴(31)を、死体遺棄の容疑で逮捕。取り調べで殺害を認める供述もしており、殺人容疑を視野に入れた捜査が続く。

 伊藤さんの遺体は、JR東海道本線の沼津駅から850メートルほど離れた土屋容疑者宅のベランダと、彼の車の中からも見つかった。

 社会部記者が解説する。

「司法解剖の結果、伊藤さんは頭部を鈍器で殴られた外傷性くも膜下出血と、携帯電話の充電に使うコードのようなもので首を圧迫されたことによる窒息が原因で亡くなったと判明しました。伊藤さんの死後、容疑者は電動のこぎりを使って遺体を複数に切断したと県警は見ており、裏付け捜査を進めています」

金銭トラブルが

 伊藤さんの自宅は、遺体が発見された沼津市から西に直線距離で100キロほど離れた磐田市にある。実母と小学生の子供2人と4人で暮らし、ゴルフ場のキャディーを経て、大手生保の保険外交員として働くシングルマザーだった。

 そんな彼女が最後に目撃されたのは、2月21日の朝。家族に“沼津へ行く”と言い残して以降、音信不通となってしまった。

 翌22日、心配した親族が警察に行方不明届を出したことで捜索が始まり、彼女が持っていた携帯電話の位置情報や“交際相手がいた”という友人らからの情報で浮上したのが、土屋容疑者だったのである。

 先の記者が続けて話す。

「取り調べで彼は“別れ話を巡り金銭トラブルがあった”と話している。21日に静岡駅で彼女と落ち合った後に口論となり、その翌日までに殺害に及んだと見られています」

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