「愛媛農業アイドル自殺訴訟」遺族側弁護士に賠償命令 負けると沈黙する「タレント弁護士」と丸乗りした「ワイドショー」の責任

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弁護士が断定的に語っていた「事実無根の内容」

 彼らはどんな「断定的な」物言いをしていたのか。

 あの会見を通して、世間に広まった有名なセリフが、佐々木社長が自殺した少女(当時16)に対して放ったとされる「(グループを)辞めるなら1億円払え」発言である。Twitterで〈もっちー弁護士〉と名乗り、積極的に発信していることで知られる望月弁護士は、会見で自信たっぷりにこう述べていた。

「パワーハラスメントをうかがわせるようなメッセージ、日常的な言葉。それからお母さんなんかが、彼女が、萌景さんがリビングでスタッフと電話をしているときなんかに、すごく怒鳴られているようなことを隣で聞いていたりとか、いろんなことがあったところです。そして、最後に『辞めるならば1億円払え』と言った言葉。これもパワーハラスメントの一つなわけです」

 だが、この「1億円」発言は遺族側の一方的な主張から出てきたものであり、一連の訴訟ではなんら事実認定されていない。

 また、「ビートたけしのTVタックル」や「ひるおび」などに出演し、タレント弁護士として活動している河西弁護士は、「過重労働」について会見でこう述べていた。

「イベントによっては集合時間が朝4時30分、帰りは日付が変わって夜中の2時、こういったことも現実問題としてあったということですね」

 早朝から深夜までの長時間労働が常態化していたかのような印象を受けるこの発言も事実ではない。実際は、遠方のイベントに参加したときなどに、朝4時30分の集合と、深夜2時の帰宅がそれぞれ一回ずつあっただけだ。

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