日本中に蔓延する“SDGs疲れ”、美しい地球のための「努力」がもたらす「不都合な真実」

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なぜ給食にコオロギ?

 社会人たるもの、社会全体と持続可能な世界に貢献したいと思うのは当たり前。それなのに「持続可能な働き方」がSDGs疲れにより毀損されてしまったら元も子もない。そう考えると組織もそこに属する人々も「できることを私はやる。何か画期的技術ができたらそこに乗っかる・採用する」ということで、SDGsに取り組んでいく姿勢が大事ではないでしょうか。

 SDGsは17項目ありますが、その中で特に象徴的なのが【7.「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」】と【13.「気候変動に具体的な対策を」】で、これらはセットになります。あとは、【14.「海の豊かさを守ろう」】【15.「陸の豊かさも守ろう」】も最近は話題になっています。

【7】と【13】の方が本記事のメインなので後でじっくり書きますが、まずは【14】と【15】について。昨今、日本で取り沙汰されるのは、「昆虫食」です。その象徴的なものがコオロギ。コオロギの粉末を混ぜ込んだ料理やら、コオロギが原型のまま登場する料理が食糧難を救う! とばかりに紹介されます。2022年11月28日の日経電子版には「食用コオロギの粉末を学校給食に 全国初、まず徳島で」という記事が登場し、生徒達がアクリル板越しに向かい合ってコオロギ食を食べている写真を掲載。ひき肉に代わるタンパク源として、コオロギ粉末を使ったコロッケが紹介されましたが、記事によると「食物科長の多田加奈子教諭は『給食に昆虫メニューを取り入れることで、SDGs(持続可能な開発目標)やエシカル(倫理的)消費を深く考えるきっかけになれば』と期待する」とのことです。

 いや、私もイナゴの佃煮は小エビの佃煮風でおいしく食べますよ。それは「伝統料理だし、食べてみるか!」と渋谷の山形料理居酒屋「やまがた」で食べて、「意外とおいしいな」と思って時々注文したから。しかし、なんで子供達が食べる「給食」というところからコオロギ食の重要性を説くんですか?

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