コオロギラーメンを超える「美味しい」昆虫は? 

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 5月13日(月)放送の「しゃべくり007」にゲストで出演した指原莉乃が、これからブレイクしそうなダイヤの原石の一人として紹介したのが、「地球を愛しすぎる慶応ボーイ」こと篠原祐太さん。「地球を愛しすぎる」のゆえんは、自然を愛するあまりに昆虫食にたどりついたあたりにあるそうで、スタジオで彼が披露した料理は、コオロギでスープを作った「コオロギラーメン」だった。 

 その正体を知らずに食べていたレギュラー陣は、実はコオロギだと知り悲鳴を上げていたのだが、味は「美味しい」とのこと。そもそもイナゴが食材として比較的ポピュラーなことを考えれば、コオロギが美味なのもそう不思議ではないのかもしれない。

 他にもセミやバッタなどは美味しく、カブトムシはまずかった等、篠原さんの披露する昆虫食のウンチクには若干の悲鳴が上がっていたが、昆虫食そのものは決してゲテモノではなく、世界各国で継承されている伝統的な食文化の一つだ。
 
 この分野の第一人者、内山昭一さんも、新著『昆虫は美味い!』の中で、セミ、バッタの美味しさについて熱く語っているのだ。

 まずセミ。

「セミの成虫はサクサクした食感と、飛翔筋の旨味が特徴だ。(クマゼミと)比べるとアブラゼミの方が、旨味が濃い。幼虫は天ぷらもいいが、出汁で煮てから燻製にしてもいい。燻製にはフェノール化合物を主として100種類以上の香気物質が含まれている。人間が共通に感じる普遍的な美味しさである」(同書より)

 そしてバッタだが、実は旧約聖書において、例外的に食べてもよい昆虫とされているのだそう。内山さんは蝗害の影響だろうと指摘しつつも、

「揚げるとほのかに赤くなり、エビを思わせる。揚げバッタのサクサクとした食感、旨味、鼻に抜ける香ばしい香り、エビと同じ系統の味わい」

 と同書で教えてくれている。バッタの外殻には、エビの殻に含まれるアスタキサンチンが含まれていて、強力な抗酸化作用があるのだ。

 高タンパク、高エネルギー食品の昆虫は、古今東西、今でも世界中で食べられているが、その魅力は何といっても「美味い!」ことだという。『昆虫は美味い!』の中では、さらにディープな食材として、ジョロウグモ、カメムシ、オオゴキブリの味わいについても内山さんは解説している(それぞれ枝豆、パクチー、エビに似ているとのこと……)。

 もちろん、コオロギも含めてすべての昆虫は、専門家の指導などを守ったうえで食べないと大変なことになるのも事実。

 内山さん主宰の昆虫料理研究会では夏は「セミ会」、秋は「バッタ会」と称して、採って食べるイベントを開催しているが、20~30代の若い人や、女性の参加者も多いそうで〈虫食い女子〉が増殖中だとか。あなたも食わず嫌いをやめて、一度試してみてはいかがだろう。

デイリー新潮編集部

2019年5月28日掲載

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