パンダの祖先は「肉食」だった! 主食が「竹」になったワケ

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 パンダといえば竹。竹の中に座るようにして、葉っぱや、器用に裂いた幹を黙々と食べている様子はおなじみの光景。でも、その昔、祖先は小動物を食べる肉食だった?

「生きている化石」ともいわれるほど、祖先ははるか昔から地球上に生息していた。

 現在の姿とは似ても似つかない姿だったというが、どうしておいしそうでもない(!)竹を食べるようになったのだろうか?

 その秘密を『知らなかった! パンダ―アドベンチャーワールドが29年で20頭を育てたから知っているひみつ―』から紹介する。

祖先は肉食! 竹が主食になったワケ

 パンダの祖先は、800~900万年前に生息していて、すでに絶滅したクマ科の動物といわれています。そして200万年前ごろから、現在に近い生活になったと考えられます。

 ちなみに、人類の祖先が登場したのが400万年前ですから、パンダが「生きている化石」といわれることがあるのもうなずけますね。

 かつてはネズミのような小さな動物を食べていましたが、260万年前の氷河期になってエサとなる生きものが減ってしまったことがありました。わずかなエサをほかの肉食動物と取り合う争いを避けて、また、自分や子どもが肉食動物の標的にならないように、だんだん標高の高いほうへと移動していったと考えられています。

 そして、高地でも繁茂して常緑性、春にはタケノコも出る竹を食べ始めたことが現在まで続いているのです。

 肉食だったのに植物を、それも樹木の柔らかい葉ではなく、固い繊維質で水分も少なそうな竹を食べるとは、生きるためにワラにもすがるような必死な時期があったんですね。

 もとはエサになる動物をつかまえていたパンダですから、動きがそれほど遅かったわけではないようです。今でも機敏さは残っています。ふだんののんびりさからは想像しにくいかもしれませんが、全速力で走ると時速30キロといわれています。

 ただし、栄養価の低い竹を食べていることもあり、持久力はありません。ですから、時速30キロで走れるのですが、長距離走には向いていないタイプといえるでしょう。

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