車椅子をねじ込んで電車の運行を妨害… 韓国で障害者団体の「過激すぎる抗議活動」が問題に

国際 韓国・北朝鮮

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 障害者支援の促進や、皆が住みよい環境づくりの意識が、ひろく世間に浸透すべきものであることは言うまでもない。だが、それを求めるあまりの活動がゆきすぎると、また別の問題が生じてしまうようだ。お隣の韓国で、いま、ある団体の活動が社会問題化している。在韓ジャーナリストのノ・ミンハ氏がレポートする。

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 1月中旬、久しぶりにソウルを訪ねた日本人の知人が、こんな連絡をくれた。

「地下鉄4号線に乗って三角地(サムガクチ)駅で乗り換えようとすると、車椅子に乗った数人の人たちが、電車とホームの間に車椅子を入れてドアが閉まらないようにしてなにやら大声で叫んでいたんです。電車が発車できなくなって……あれはなんなんですか」

 ぴんときた。最近ソウルの地下鉄では全国障害者差別撤廃連帯、通称「全障連(チョンジャンヨン)」という団体が頻繁に行っている抗議活動だ。彼らはラッシュアワーにあたる午前8時から9時頃にかけて、ソウル市の地下鉄、とくに地下鉄4号線の駅に現れる。

 知人がいうように、その抗議活動によって電車の発車が30分から1時間遅れることもあり、その間、多くの乗客は電車内に閉じ込められたままだ。警察も事前に多数の警察官を配置し対応にあたっているものの、警察官や地下鉄職員が手を噛まれたり、電動車椅子で突進されて負傷したりするといった事故まで発生しているのだ。

 ソウル市民に迷惑をかけていることに対し、全障連は「申し訳ない」としているが、抗議行動はつづけている。

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