フィリピンの元“収容所仲間”が語る「ルフィ」の正体 塀の中で “バカラ賭博”までも…豪遊三昧しながら強盗を指示していたヤクザ

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”裏ワザ”を使って強制送還を逃れていた

 渡辺容疑者は逮捕後、他の日本人収容者たちとともに日本に強制送還されそうになったことがあるという。

「渡辺はみんなと一緒に強制送還の準備をしていました。(日本で逮捕されることに)びびっていたんでしょうねえ、焦っているように見えました。でも急遽、フィリピンに残留することになったんです。金を積んで外部の人間に訴えさせたんじゃないでしょうか。他の日本人収容者もよくやっていた手口です」

 フィリピンでは事件に関与している外国人は、本国へ強制送還できない。本国での刑務所生活やフィリピン国内に妻や子供がいて離れ離れになるのを避けたい外国人収容者は、外部の人間に自身を詐欺などの容疑で告訴してもらい、それで強制送還期日の延期を繰り返しているのだ。同じような手口で、渡辺容疑者も収容施設に居残ったとみられる。

 だが、もうそんな裏ワザは通用しそうにない。

「露木康浩警察庁長官は、日本警察の威信にかけて首謀者を逮捕すると息巻いています。フィリピン当局も準備が出来次第、順次、強制送還していく方針で、すでに今村は手続きに入っている。送還までどのくらい時間がかかるかは不明ですが、渡辺たちが強盗事件の容疑者として逮捕される可能性は高い」(社会部記者)

 ルフィは送還されたとき、国民にどんな顔を見せるのだろうか。

水谷竹秀(みずたにたけひで)
ノンフィクション・ライター。1975年生まれ。上智大学外国語学部卒。2011年、『日本を捨てた男たち』で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。10年超のフィリピン滞在歴をもとに「アジアと日本人」について、また事件を含めた現代の世相に関しても幅広く取材。5月上旬までウクライナに滞在していた。

デイリー新潮編集部

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