フィリピンの元“収容所仲間”が語る「ルフィ」の正体 塀の中で “バカラ賭博”までも…豪遊三昧しながら強盗を指示していたヤクザ

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韓国人とつるんでいた渡辺容疑者

 ビクータン収容所は首都マニラの中心部から車で南に約1時間走った距離にある、首都圏警察本部の敷地内にある外国人専用の収容所である。中国や韓国、日本、アメリカなど、各国から指名手配された逃亡犯および、フィリピンの入国管理法(不法滞在など)に違反した外国人が約300人収容されている。

「ここはお金があれば何でも手に入ります。収容者は携帯電話も中で使えます。職員に携帯電話の金額プラス5,000~10,000ペソ(約12,000~24,000円)を支払えば買ってきてくれます。その携帯を使ってリクルートした実行犯を動かしていたのでしょう。ちなみに、お酒や覚醒剤などの違法薬物も手に入ります。中で酒盛りをして、職員の前で吐いている収容者もいました」(A氏)

 施設は2階建ての建物で、部屋数は16部屋。1部屋の収容人数は4人だが、それでは収まりきらないため、部屋の外にも2段ベッドが並び、「すし詰状態」になっている。A氏によれば、日本人は現在約15人いる。渡辺容疑者は一般の収容者がいる建物ではなく、日本語ができる金持ちの韓国人たちと一緒に生活をしていたという。

「韓国人のエリアは木とトタン屋根でできた10畳以上のスペースで、そこにベニヤ板でそれぞれの個室が作られていました。シャワーやキッチンもありますが、一般の収容者は近寄り難い雰囲気の場所です。そこに渡辺は韓国人4~5人と暮らしていました」(同)

「オレオレ詐欺」を取り仕切っていた“ボス”もいた

 一方の今村容疑者は、一般の建物に収容されていたが、韓国人とバカラなどのギャンブルをして負けて金に困り、日本人男性のボス格であったSが滞在する「VIPルーム」で暮らし始めたという。A氏によると、VIPルームには冷房が完備され、ベッドやテレビ、電子レンジなどの家財道具も備わっている。月々の家賃は5万ペソ(約12万円)で、収容所の職員に支払っていたという。

「そこでSは若い日本人を束ねてオレオレ詐欺をやらせていました。怠けていたり、実績がない若者にはタバコの火を押し付けていじめていました。実際にやられていた若者からその話を聞きました。今村とSは金遣いが荒く、牛肉10キロやマグロ1匹を入管施設の外部から取り寄せ、パシリの日本人に調理をさせ、食べきれなくて捨てていたそうです」(同)

 ところがSが昨年11月に日本へ強制送還された。

「そこで今村が1人になったので、金脈として渡辺と一緒になったのではないかと。連続強盗は私が収容所を出た後のことなので、直接は知りません。ですが、収容所の人間たちと今も連絡が取れる元収容者によれば、2人は強盗を指示していたみたいですね」(同)

 渡辺、今村両容疑者ばかりでなく、複数の日本人収容者たちが携帯電話を使った特殊詐欺やら強盗で儲けたカネで入管施設内で「豪遊」していた疑惑があるのだ。

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