全国で30件発生中の連続強盗事件「暴力団関係者や闇カジノ経営者が狙われた」「激安レンタカー業者」が犯行に使われた理由は?

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格安レンタカー業者を利用

 実行犯が寄せ集めのメンバーで構成されていることもわかってきた。捕まったメンバーの多くは10代〜20代の若者。昨年12月、東京都渋谷区の貴金属店に押し入り商品のネックレスなど計約272万円相当の貴金属を奪ったとして捕まった未成年者は「インスタグラムの闇サイトで応募した」と供述。昨年11月、山口県岩国市の会社役員宅に男5人で押し入ったものの、住人から日本刀を振り回される返り討ちに遭い未遂に終わった事件でも、現場で取り押さえられた男は「『日当100万円』の投稿をSNSで見つけて応募した」と供述している。

「指示役は、SNSなどを通して応募してきた者を、記録が抹消できる通信アプリ『テレグラム』へ誘導。それから具体的に細かい指示を送っていたと見られています」(同)

 犯行に利用されたレンタカーをめぐっても気になる情報が出てきた。「Xという全国チェーン業者が利用されているケースが多い」(同)というのである。業界最安値をうたっている業者だが、なぜ犯行グループはXばかり利用したのだろうか。

「実行犯は借金持ちが多く、手元の資金が不足していからという理由も考えられるが、審査が甘いという理由で選んでいた可能性もあります」(同)

 実際、業界関係者によれば、「Xにはガソリンスタンドなどに委託している店舗もある。担当者は素人ばかりで、手続きが雑なケースが多い」というのだ。

消えるSNSは復元できたのか

 だが、彼らがレンタカーに乗り込み犯行に及んでいた様子は複数の防犯カメラに残されていた。昨年12月に発生した東京都中野区の一軒家に7人組が押し入り現金約3000万円を強奪した事件では、今月24日までに4人が逮捕。警視庁は逃走中の残り3人の身元もすでに割り出しているとのことで、「逮捕は時間の問題」だという。

 今後の捜査で注目されるのは、指示役までたどり着けるかという点だ。ポイントとなるのは、“消えるSNS”である。

「狛江の事件が発覚したのは、今年1月12日に起きた千葉県のリサイクルショップで起きた強盗傷害事件で捕まった犯人のスマホから、狛江の住所や犯行を示唆する情報が出てきたからです。もし警察が、通信履歴が消えるはずのテレグラムの復元に成功していたならば、指示役にも遡れる可能性がある」(同)

 これ以上の犠牲者を増やさないためにも、一刻も早い全容解明が待たれる。

デイリー新潮編集部

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