「性奴隷になって……」女子高生にワイセツ誓約書、“元葉山副町長”の常軌を逸した「援助交際」

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「結婚を考えて契約書を交わした」

 しかし、田辺被告に反省の色は見られなかった。もとより否認している。被告人質問では、少女らとのLINEについて、「少年捜査課による改竄疑惑がある。告訴することにしました」と述べるなど、自身が少女らに送ったLINEのやりとりが“改竄されたもの”であると譲らない。再逮捕についても、「Aの事件のことで、Aを告発したがために、報復として追い込むために再逮捕されたと思いました」などと訴える。Bさんについても「アスペルガーで二重人格だった」と発した後、今度は少女たちとは“真剣交際”だったと述べ続けた。

「私はBと結婚を考え契約書を交わしていた……、五十男と十代女子高生、真面目な交際だと考えていました。取り調べでも刑事や検事にニヤニヤしながら聞かれましたが、『ライムライト』という映画で反論しました。これは60歳を超えた男と20歳のバレリーナの話。あなた方司法は自分の身の回りだけのことで判断する、と反論しました」

 田辺被告の独白が延々と続くため、裁判官から「あと20分で!」と異例のカウントダウンが入る状態となった。判決では、被告が訴え続けた少女たちとの“真剣交際”は認められず、「性的欲望を満足させるための対象としての関係だった」と指摘されている。田辺被告は判決を不服として控訴しているが、まだ控訴審は開かれていない。高裁の判断が待たれる。

高橋ユキ(たかはし・ゆき)
ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。

デイリー新潮編集部

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