ロシア兵が焚き火をしてウクライナ軍に発見される動画が拡散…“冬将軍”の恐怖に苦しめられる未熟なロシア兵

国際

  • ブックマーク

Advertisement

タイヤの悪夢

 ウクライナ軍はNATO軍の支援を受けている。最近はNATO軍の冬服を着るウクライナ兵の姿も目につくという。防寒具を自前で調達しなければならないロシア軍とは雲泥の差だ。

「ろくな訓練を受けていない徴集兵が寒さに耐えかね、焚き火をしても仕方ないのかもしれません。ただ、煙は遠くからでも目立ちます。しかも、現代の戦争はドローンが上空から最前線を偵察しています。火を使えば、現在地を敵軍に把握されてしまうリスクが極めて高いと言わざるを得ません。そんな初歩的なことも教育されていないということでしょう」(同・軍事ジャーナリスト)

 先に《冬の戦争は、夏より多量の物資を必要とする》という点に触れた。

 思い出されるのは、ウクライナ戦争の緒戦で、「ロシア軍のトラックは中国製のタイヤを使っており、非常に質が悪い」という報道だ。目にした方も多いだろう。

「あの時より、ロシア軍のタイヤ事情がよくなっているとは思えません。冬道を安定して走れるようなタイヤを確保できているかは疑問です。兵士や物資の輸送にトラックは重要な役割を果たしています。陸路の補給が機能しないとなると、ロシア軍は身動きが取れなくなる可能性があります」(同・軍事ジャーナリスト)

不潔なロシア軍

 厳冬期を迎えるロシア軍には、他にも意外な強敵が潜んでいる。それは感染症だ。

「冬季は風邪やインフルエンザの感染リスクが最大限に上がります。おまけに今冬は、新型コロナの第8波も取り沙汰されています。規律ある軍隊は衛生を最優先にして感染症の蔓延を封じます。ところが、戦闘に敗れ正規兵が逃げ出したロシア軍の陣地の写真を見ると、ゴミだらけの凄まじく不潔な環境だったことが分かったのです」(同・軍事ジャーナリスト)

 正規兵でさえ衛生観念がない。充分な訓練を受けていない徴集兵だと──。発熱者が続出して戦闘不能になることも充分に考えられる。

 兵站の話に戻れば、凍結した悪路をロシア軍のトラックが進むことができなければ、最前線で発熱者が出ても医薬品が送れない。これでは戦闘以前の問題だ。

次ページ:焦土作戦

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。