神経質な岸田総理に側近は辟易、背景に官邸内での孤独が… 暗躍する茂木幹事長の思惑とは

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 たった1カ月で3人の大臣のクビが飛んだ。しかも政権内では未だ火種が燻り、側近たちは機能不全。優柔不断な総理の下、難題山積の政権運営は茨の道だが、野望をあらわにする男が一人。自民党幹事長・茂木敏充(67)。党の国会対策まで掌握し、突き進む先は――。

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「徹夜してでも行く」――。

 岸田文雄総理は、「死刑ハンコ」発言の葉梨康弘前法相を事実上更迭した今月11日、そう周囲に吐露した。

 官邸が大混乱に陥ったその日、総理は本来なら15時に羽田空港を発ち、東南アジア歴訪のためにカンボジアへと向かうはずだった。結局出発したのは、その10時間後の12日の午前1時。葉梨氏の後任である齋藤健新法相を任命し、認証式を終える必要があったからだ。

「外遊初日の会議をオンラインに変更するという話もありました」

 とは官邸関係者。

「同行スタッフの体の負担にならないよう総理にそう進言しても、総理は“内政のことで外交を妨げるわけにはいかない”“深夜に出て徹夜で会議に臨む”と強い決意を示し、異例の深夜出発となった。まあ、早くに更迭すればこんなことにならなかったわけですが……」

「岸田流クビ宣告」

 葉梨氏の失言は9日夜の自民党議員のパーティーの席でのことだった。なぜ更迭がその2日後になってしまったのか。

 実はこれについて総理側近の一人が「岸田流クビ宣告」だとして、官邸記者らにこう説明している。

「岸田さんはこれまでの政権のように問題が起きてもすぐに辞めさせはしない。予算委員会などで説明責任を果たさせ、それでも世論が許してくれないとなればようやく辞任させる。その際は、当人の名誉を考え、形式上は更迭ではなくあくまで辞任。それが岸田流だ」

 とはいえ、死刑執行の職務を軽視するような発言をどんな理由があろうと世論が許すわけがあるまい。

「岸田流なんて後付けですよ。当初は、山際大志郎前経済再生担当相のように次から次へと疑惑が出てくるわけではないと総理は高をくくっていた。実際には複数のパーティーや会合で葉梨さんが同様の発言をしていたことがわかり、激怒。慌てて辞めさせたというわけです」(先の官邸関係者)

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