神経質な岸田総理に側近は辟易、背景に官邸内での孤独が… 暗躍する茂木幹事長の思惑とは

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側近も辟易

 総理はいま異様に支持率を気にするようになっていると、政治ジャーナリストの青山和弘氏が解説する。

「ある時、側近が“支持率は下がっていますが、不支持率はそんなに上がっていません”と総理に報告したら、翌日に再度呼び出され、“不支持率も上がっている! ちゃんと報告しないとダメじゃないか!”と怒られたそうです。支持率の下がり幅ほど不支持率は上がっていないという意味だったのに、そんなことで逆鱗に触れるのは、相当神経質になっていると、側近も辟易しています」

 それを裏付けるのが、深まるばかりの総理の孤独だ。いま官邸内で側近といえるのは、松野博一官房長官、木原誠二官房副長官、経産省出身の嶋田隆総理秘書官。

「その三人の危機管理がまったく機能していません」

 と政治部デスク。

「松野さんは安倍派の所属で岸田派中心の政権に遠慮し、積極的に火消しに走ることはしません。木原さんは多忙な上、根回しはするけど、重鎮議員相手となると矢面に立ちたがらない。嶋田さんはそもそも議員と付き合わない政策マン。安倍政権時代の今井尚哉秘書官のように、泥を被って総理を守ろうという人がいないんですよ」

 特にスポークスマンたる松野氏はいま、“世耕批判”に躍起なのだという。

「世耕弘成さん率いる参院安倍派が、“安倍会長の遺志を継ぐ”との連判状を先日、作成しました。これが松野さんは気に入らないのです。世耕さんが安倍派会長を狙っているのではと疑心暗鬼になり、松野さんは“派閥を割るなら割れ”と怒り心頭、周囲に不満を漏らしています」(先の官邸関係者)

 そんな状況で総理が相談相手として頼りにしているのが、遠藤利明総務会長だ。昨年の総裁選では岸田陣営の選対本部長を務めた。

“俺に相談しろ”

 その遠藤氏に聞くと、

「もともと総理とは30年来の付き合いだから、それは何かあれば話しますよ。総理には“去年の総裁選に出た時のように強気にいきなさい”と言うくらい。統一教会も安全保障も経済対策もひとつひとつ丁寧に国民に説明することです」

 だが、遠藤氏はあくまで党の役職者にすぎない。

「遠藤さんは心を許せる相手ではあるものの、官邸内にいないので、意思決定に関わるわけではありません。官邸の危機管理があまりにずさんなので、ある岸田派の幹部が松野さんに電話して“ちゃんと岸田さんを支えてくれ”と抗議したほどです」(青山氏)

 不協和音は官邸内にとどまらず、党内にも深い亀裂が走っている。

 特に批判が集中しているのが、本誌(「週刊新潮」)に下着泥棒の過去を報じられた“パンツ委員長”こと、高木毅国対委員長。かねてその国会まわしが野党から集中砲火を浴びていた。

 野党国対幹部が嘆息する。

「高木さんは気が小さくて、立憲の安住淳国対委員長の相手ではない。安住さんが電話をしても高木さんは“検討します”“持ち帰ります”という返事で決められないばかりか、最近では電話に出なくなったほどです」

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