「トランプ氏の出馬演説は成功だった」…ケント・ギルバート氏が読む“2年後の共和党予備選”

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支持を失ったトランプ氏

 結局のところ、「2016年のトランプ」と「2022年のトランプ」は同一人物だとしても、有権者の印象は全く異なっているようだ。

「2016年に民主党候補のヒラリー・クリントン氏(75)を破ることができたのは、確かにトランプ氏しかいませんでした。しかし、2024年の大統領選に必要な人物ではないのです。今回の出馬を『法的な訴追から逃れるため』と解説する識者もいます。ただ私は、彼が語る愛国、憂国の想いも、嘘だとは思っていません。しかし、共和党の支持層ですらもうトランプ氏を必要とはしていないでしょう」(同・ギルバート氏)

 アメリカ大統領選は予備選の途中で離脱を表明し、ライバル陣営に“恩を売る”ことで一定の政治力を確保する動きもある。

 だがギルバート氏は、「トランプ氏の性格から考えて、彼が『名誉ある撤退』を選択する可能性は低いのではないでしょうか」と言う。

「やるならとことんやるのがトランプ流です。彼は最後に敗れるまで、全力で選挙活動を続けるでしょう。立ち止まることすらしないはずです。ただ今のところ、その努力が2年後に報われることはないと思います」

註1~5

註1:トランプ氏、24年米大統領選に出馬表明(日本経済新聞電子版:11月16日)

註2:2024年大統領選の共和党予備選候補でトランプ氏が依然首位、米世論調査(JETRO[日本貿易振興機構]ビジネス短信:8月25日)

註3:上院選「敗北」で共和党内に不協和音 「トランプ氏のせい」批判も(毎日新聞電子版:11月14日)

註4:【米中間選挙】トランプ氏、共和党の新星を「口撃」 知事選で大勝のデサンティス氏(BBC NEWS JAPAN:11月11日)

註5:2024年米大統領選共和党予備選、フロリダ州現職知事の支持がトランプ氏上回る、各種世論調査(JETROビジネス短信:9月22日)

デイリー新潮編集部

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