「トランプ氏の出馬演説は成功だった」…ケント・ギルバート氏が読む“2年後の共和党予備選”

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問われる“攻撃性”

 出馬表明の演説でトランプ氏が攻撃的な言説を避けたことは前に触れたが、これもいつまで続くかは分からないという。

「やはり彼の性格を考えれば、今後2年間、対立陣営への攻撃を控える、などということができるはずもありません。必ず攻撃は復活するでしょうし、そうした言動が報じられると、『また始まった』と辟易する共和党支援者はかなりの数に上るはずです」(同・ギルバート氏)

 いや、既にその兆候は出ていると言っていい。

 中間選挙で上院は民主党が多数派になったことが判明すると、トランプ氏は11月13日、共和党・上院院内総務のミッチ・マコネル氏(80)を「マコネルの責任だ。彼が中間選挙を台無しにした」と批判した(註3)。

 また10日には、予備選で“ライバル”とも目されるフロリダ州知事のデサンティス氏も批判した(註4)。

《「ロンは支持率が低く、世論調査の結果も悪く、金もなかった。だが私が支持すれば勝てると言っていた」》

《「私は彼の選挙運動を直してやった。完全な崩壊状態だった」》

 私が助けてやったのに恩を忘れやがって──トランプ氏は、こう主張したいようだ。

“ミニ・トランプ”の躍進

 トランプ氏がイライラしているのは、ひょっとするとデサンティス氏の人気がうなぎ登りだからかもしれない。

 USAトゥデイとボストンのサフォーク大学が9月21日、フロリダ州知事選に関する世論調査の結果を発表した(註5)。

 調査では「共和党予備選でトランプ氏とデサンティス氏の対決になった場合、どちらに投票するか」という設問もあり、回答はデサンティス氏の48%に対しトランプ氏は40%と“逆転”したのだ。

 さて、このデサンティス氏だが、“ミニ・トランプ”と呼ばれていることをご存知の方もいるだろう。

 読売新聞(電子版)は11月7日、「トランプ氏の対抗馬本命に『ミニ・トランプ』急浮上…攻撃的な手法で注目」の記事を配信した。

《デサンティス氏は、中南米からの不法移民を富裕層が多い州に送りつけ、性的少数者に厳しい政策をとるなど攻撃的な手法で注目を集め、「ミニ・トランプ」とも称される》

《名門エール大、ハーバード大法科大学院を出て、海軍時代にはイラク派遣を経験し、下院議員も務めた経歴から、党内穏健派の受けもいい》

「トランプ氏と同じ主張でありながら、トランプ氏とは違って人格に問題がないわけです。こうなると、共和党の支援層はデサンティス氏に注目するに違いありません。予備選本番となれば、デサンティスブームが起きる可能性もあります」(同・ギルバート氏)

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