最も自律神経が乱れる曜日は? 「ため息」は実は大切? コロナ禍でたまった体調不良のリセット法

ドクター新潮 ライフ

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 久しぶりに行動制限がなく、旅行やスポーツを楽しめている今年の霜月。だが、それは「一瞬の秋」かもしれない……。今冬に大襲来が予想される「コロナ第8波」。再び不自由な生活を強いられる前の今こそ、体調点検が必要だという。そのポイントは「自律神経」。【小林弘幸/順天堂大学医学部教授】

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 コロナ禍とは一体何だったのか――。

 第7波が沈静化し、いずれ本格的に襲ってくるとされる第8波までの狭間にある今こそ、私たちは考え直してみる必要があるのではないでしょうか。

 コロナ禍、それはある種の社会的パニックでした。未知なるウイルスにおびえ、連日のように報道された医療逼迫(ひっぱく)、医療崩壊を恐れる。そして、これまでとは異なる生活形態を余儀なくされ、私たちの日常そのものが非常に大きく変わってしまうのではないかと不安に苛(さいな)まれる。こうしたさまざまな恐怖が重なり、社会全体がパニックに陥ってしまったのです。それはとりも直さず、この2年半、社会だけでなく私たちの心身がパニック状態を起こし続けてきたことを意味します。

 特に具体的な病気にかかってはいないものの、かといって調子がいいというわけでもない。

 ふさぎ込んでいるわけではないけれど、コロナ禍前と同様に開放的な気分というわけでもない。

コロナ禍が引き起こす自律神経の乱れ

 現在、このような「病名のつきにくい不調」を感じている人が少なくないと思います。実際、私の外来を訪れてこうした症状を訴える人も増えています。この不調の原因は何か。私は「パニックの継続」が大きな位置を占めていると考えています。人間がパニックに陥ると、自律神経の乱れを引き起こします。そして狭間の今こそ、乱れた自律神経のバランスを整える好機だと思うのです。

〈こう指摘するのは、順天堂大学医学部の小林弘幸教授である。

 呼吸や血流、消化・吸収など、人体の多くの働きを司(つかさど)る自律神経の研究者として知られる小林教授は、食事や運動を含めたさまざまな生活習慣の改善による自律神経の調整を唱えてきた、斯界の第一人者である。

 その小林教授によると、コロナ禍で私たちの自律神経は著しくバランスを崩してしまっているという。確かに、新型ウイルスが猛威を振るい始めてからすでに2年半超が経過。「それ以前の体調」になかなか戻すことができず、何となく“だるい”という人も多いのではないか。

 以下は、自律神経研究の権威である小林教授が解説する、コロナ禍で乱れた自律神経のリセット法だ。〉

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