ロシア軍が使う戦車「T-62」は“骨董品” 軍事専門家は「兵士が逃げ出すのも当然でしょう」

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経済制裁の効果

 T-62をT-72やT-80と比較すると、戦車の走行スピードも、砲弾が届く距離も、命中精度も、圧倒的な差があるという。

「T-62が戦場に出てきたと聞いて、大半の軍事専門家が最初に感じたのは、『まだ残っていたのか!?』という驚きだったはずです。その後に『あんな古い戦車を実戦に使うつもりなのか……』と呆れたでしょう。T-72やT-80の攻撃力を考えると、T-62の防御力など張りぼて同然です」(同・軍事ジャーナリスト)

 反攻するウクライナ軍が迫ってくる。どうしてもT-62を使う必要がある──このように切羽詰まった状況なら、「ダグイン(dug-in)」で戦うしか方法がないという。

「地面に戦車を埋めてしまい、砲塔だけを出して敵を攻撃するのがダグインです。古い戦車で戦っても、スピードや砲弾の射程距離を考えると勝ち目はありません。そこでトーチカに大砲を設置するような役割を担わせるわけです」(同・軍事ジャーナリスト)

 だが、前出のForbesの記事によると、ロシア軍はT-62を普通に戦車として出撃させているようだ。戦車兵が乗り捨てて脱走するのは当然だろう。

「ロシア軍は戦車を鹵獲されてしまうと、代わりを補充することが不可能なのだと考えられます。西側諸国の経済制裁が効果を発揮しているのか、もはやロシア国内で精密機械が作れないということでしょう。その結果、新しい戦車の製造も難しいのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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