岸田首相が長男を秘書官起用で“4代世襲”が決定 識者は「箔付け人事。最悪のタイミング」と分析

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 毎日新聞(電子版)は10月3日、「岸田文雄氏長男が首相秘書官に 『人事活性化と連携強化のため』」の記事を配信した。“縁故採用”の理由を《人事活性化》と説明したことで、有権者の不評を買っているようだ。

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 あっという間に“渦中の人”となったのは、政務担当の首相秘書官に就任した岸田文雄首相(65)の長男・翔太郎氏(31)だ。担当記者が言う。

「翔太郎さんは広島市の私立・修道高校から慶応大学法学部に進学。卒業後は三井物産に入社し、2020年3月に岸田事務所へ入所しました。公設秘書として父親の外遊に同行するなどしています。ちなみに、毎日新聞の記事はYAHOO!ニュースにも転載され、10月4日現在、1万2000を超えるコメントが投稿されました。その大半が翔太郎さんの起用を批判する内容です」

 有権者が怒っているのは、この人事が世襲を前提としていることが明白だからだ。岸田首相の地元は広島県。ブロック紙の中国新聞も10月4日の記事(註)で以下のように伝えた。

《衆院広島1区を地盤とする首相の後継者として政治経験を積ませる狙いもあるとみられる》

 岸田家の歴史を見ると、政治家という地位の“世襲”が延々と繰り返されてきたことが分かる。

【1】岸田正記(1895~1961)
 京都帝大法学部卒。1928(昭和3)年の衆院選で初当選。1945(昭和20)年まで連続6回の当選。戦後は公職追放となるが、解除後の1953(昭和28)年に衆議院議員に返り咲いた。

【2】岸田文武(1926~1992)
 東京大学法学部卒。商工省(現・経済産業省)に入省。1979(昭和54)年の衆院選で初当選すると、1992(平成4)年まで連続5回の当選。自民党経理局長のポストを長く務めたことでも知られる。

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