100歳まで生きる人に共通する性格傾向、なってはいけない疾患は? 慶應大・百寿総合研究センター長が明かす

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「生きる意味」を持てるかどうか

 おそらく、百寿者の心の中で幸せを感じるレベルが自然と変わっていくのだと思います。動けないなら動けないなりの楽しみを見出しているのでしょう。若い頃は何か目標を掲げてそれをクリアする達成感が幸福感に結びついていることが多い。ところが百寿者は、それとは違った形で喜びを感じることができる。例えば、介護してくれるヘルパーさんとのつながりの中に幸せを感じるといったような具合に。

 もちろん、体が思うように動かない百寿者の中に、「死にたい」「早くお迎えが来てほしい」と訴える方がいないわけではありません。しかし、「今、幸せですか?」と聞くと、「幸せです」と答える方が多い。「あとどれくらい生きたいですか?」と尋ねられて、「もう十分です」と仰(おっしゃ)る方はまずいません。少し前ですと「東京オリンピックを見たい」、あるいは「ひ孫の結婚式までは」などと、いろいろとできないことが増えていくなかでも、百寿者なりの「生きる意味」をしっかりと見つけているのです。これが、「健康長寿」とはまた異なる「幸せ」の秘訣(ひけつ)なのではないかと考えています。

新井康通(あらいやすみち)
慶應義塾大学看護医療学部教授。1966年生まれ。専門は老年医学、百寿者研究、脂質代謝。100歳以上の高齢者に関する疫学調査や長寿遺伝子等の研究を続けている。日本老年医学会専門医・指導医。現在、同医学部百寿総合研究センターのセンター長を務める。

週刊新潮 2022年9月8日号掲載

特別読物「健康長寿を求めて30年『慶應百寿総合研究センター』が辿り着いた『100歳』の秘密」より

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