100歳まで生きる人に共通する性格傾向、なってはいけない疾患は? 慶應大・百寿総合研究センター長が明かす

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 人生100年時代、どうせ長生きするのなら死ぬまで元気でいたい。そんな願いを実現すべく、慶應義塾大学医学部「百寿総合研究センター」は、30年間にわたって健康長寿を研究し続けてきた。「百寿者」の秘密、そして「超百寿者」の謎。「100歳の壁」に迫る。【新井康通/慶應大学医学部「百寿総合研究センター」センター長】

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 人生100年時代を迎え、「百寿」を夢ではなく現実のものとして捉える方が増えてきていると思います。なんとか100歳まで元気で健康に生きたい。そう願い、日々、心身の健康を良好に保とうと頑張っている方も少なくないでしょう。

 しかし、もし「百寿者(センチナリアン)=健康長寿のお手本」というイメージを持っているとすれば、それは必ずしも正しい百寿者像ではありません。なぜなら、私たちが共同で行った研究では、百寿者の中でADL(日常生活動作)が高く、自立している方は全体の2割にとどまっていたからです。

〈こう解説するのは、慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターのセンター長を務める新井康通(やすみち)教授だ。

 老年医学や百寿者研究を専門とする新井教授が属する慶大および同大病院は、1992年以来、30年にわたって百寿者の研究を続けてきた。2014年に正式に組織化された百寿総合研究センターが積み重ねてきた知見のひとつが、「百寿者=健康長寿のお手本」という“常識”に関する意外な真実である。〉

百寿者は30年で20倍

〈慶大が百寿者研究を始めた92年の平均寿命は男性76.09歳、女性82.22歳。それが最新のデータでは男性81.47歳、女性87.57歳にまで延びている。

 百寿者の数も92年には4152人だったものが、2021年の厚労省の発表によると8万6510人と、実に20倍超に増えている。

 確実に長寿化している日本人。だが、「スーパーセンチナリアン」と呼ばれる110歳以上の人数は、2010年の78人から15年には146人と倍増したものの、20年には141人と減っている。奥深き100歳超の世界――。

 新井教授が30年にわたる研究史と、その知見を続ける。〉

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