100歳まで生きる人に共通する性格傾向、なってはいけない疾患は? 慶應大・百寿総合研究センター長が明かす

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「100歳の人なんか調べてどうするの?」

〈きんは100歳、100歳。ぎんも100歳、100歳。ダスキン呼ぶなら100番、100番〉

 広瀬信義元特別招聘教授が中心となって慶應大学が百寿者研究を始めた1992年は、このCMが話題を呼び、「きんさん、ぎんさん」が新語・流行語大賞を受賞した年です。「100歳姉妹」が大注目を集めていたわけです。私はその3年後から研究チームに加わることになります。

 とはいえ、まだまだ世間全体では、百寿者の存在は身近なものではありませんでした。学内でも私たちの研究への関心は非常に薄かったですし、他分野の研究者からは、「君たち、100歳の人なんか調べてどうするの?」と言われたこともあります。正直に言って、百寿者研究に対する視線はかなり冷ややかなものでした。当時はやはり、百寿は「夢」であり、「我が事」として捉えるのは難しかったのでしょう。

当時は名簿から百寿者を探して手紙を

 広瀬先生を中心とした百寿者研究グループの特徴は、医学にとどまらず心理社会学、栄養学、遺伝学など、さまざまな分野の専門家が集まり、多角的な視点から100歳以上の方々の研究を行った点にありました。そこに魅力を感じて私も一員として加わったわけですが、当時は細々と研究を進めていたというのが実情です。

 その頃は厚生労働省が「全国高齢者名簿」をまだ出していたため、それをもとに百寿の方々に手紙をお送りし、研究への協力に快諾していただけた場合、血液検査と簡単なインタビューをさせてもらう。対象者は年間20~30人程度にとどまっていました。

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