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“プーチンの頭脳”の娘が爆殺された事件

 一方で、8月20日にはモスクワ郊外で異変が。“プーチンの頭脳”とも呼ばれる思想家ドゥーギン氏(60)の車に爆弾が仕掛けられ、娘、ダリア氏(29)が爆殺されたのだ。直後に反プーチンを掲げる組織が犯行声明を出したものの、ロシア政府は「ウクライナ人による犯行」と発表。欧米では「プーチンによるロシア側の自作自演説」も出るなど、真偽不明の情報が飛び交っている。徳山氏は、

「そもそも爆弾がドゥーギンを狙ったものだったのかもはっきりしません。ドゥーギンはロシア国内ではインテリ層以外にはほとんど知られておらず、仮に暗殺しても影響は限定的ではないでしょうか」

 逆にダリア氏は政府寄りのジャーナリストとして知られていたという。

「私もドンバスでの現地取材で一緒になりましたが、アゾフ大隊の残虐性などウクライナ批判をよどみなく展開していました。標的は最初から娘だったという説さえあります」(同)

 戦場ではロシア兵が砲弾に「ダリア」と書いて発射しているとも。犯人の意図は不明なままだが、少なくともロシア側はある種の戦意高揚に利用しているということだろうか。ここでもロシア側のしたたかさが見え隠れする。

 世界の期待とは裏腹に、この戦争はまだまだ終わりが見えない。

撮影・徳山あすか

週刊新潮 2022年9月8日号掲載

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