妻は「ホスト依存症」で借金400万円、それでも離婚しない夫の“負い目”とは

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ホスト依存症を「病気」として治療する

 以上が、亀山氏のレポートである。

 病気という“負い目”もあってか、淳一郎さんは妻を見捨てない道を選んだ。前を向く彼の姿勢に清々しさを感じる向きもいることだろう。

 しかし、優理子さんが立ち直るには、彼の愛情だけでは難しいかもしれない。そのことを彼は知っておいてもいいだろう。

 すでにホスト依存を病気として捉える動きもある。

 たとえば、依存症を専門に治療する「大石クリニック」(神奈川県)にはホスト依存症に関しての案内があり〈「このままでは自分の人生が破滅する」など、今の状態から抜け出したい、ホスト依存をやめたいと思っている方はご相談ください〉とある。

 ここでは、アルコール依存症、ギャンブル依存症、セックス依存症などと同様に、ホスト依存症も治療の対象として取り上げられているのだ。

 挙げられている特徴のうち、
〈バイト代や給料だけでは支払いが回らず、家族やカード会社、消費者金融からお金を借りるようになった〉
 というあたりは、まさに優理子さんのケースに合致する。
 
 家族の問題や夫婦の問題であっても、当事者だけでの解決を目指しても困難なことは珍しくない。むしろそれが事態を悪化させる可能性もある。専門機関に頼ることもひとつの策として頭に入れておくのが良いのではないか。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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