妻は「ホスト依存症」で借金400万円、それでも離婚しない夫の“負い目”とは

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優理子さんの心を掴んだホストの一言

 家計は淳一郎さんと妻と母が、それぞれ収入に応じた比率で出して妻が管理している。彼と妻は話し合って、子どもの学資保険などもかけているが、それ以外に妻がどのくらい預金しているかは知らない。

「2年ほど前、妻が元気ないなあとは思っていたんです。病院に行ったらと勧めても『大丈夫』と。そうしたらある日、突然『私、もうダメだわ』って。何があったんだと聞いたら借金がある、と。最初は友だちに貸しただの実家の親に送っただのと言っていたんですが、いろいろつじつまが合わないところがある。細かく聞いていったら、実はホストクラブに通っていたとわかりました。ショックでしたね」

 淳一郎さんは苦笑いを浮かべた。優理子さんが言うには、あるとき友人に誘われてホストクラブへ行った、初回だったので5000円ほどで楽しんだそうだ。だがそのとき接客についてくれたホストのアキラさんが忘れられず、ひとりで通うようになったのだという。

「見栄っ張りなんですよ。通うようになってすぐ、そのホストの誕生日があった。『優理子さんは来てくれるだけでいい』と言ってくれたことがうれしくて、逆に特別な客になりたいと願い、一晩で200万円使ったそうなんです。それは彼女の貯金から。200万って、ホストクラブの客としてはそれほど太いわけではないんですってね。特に誕生日だし、他にもっと太い客がいる。それがわかって彼女は燃えたらしい」

 地道に生きてきたはずのやさしい優理子さんにそんな面があったと知って、彼は面食らったそうだ。人はどこで過去の自分から逸脱するかわからない。逸脱せずにすむ人との間に、それほど大きな違いがあるわけではないのかもしれない。淳一郎さんは、妻を「見栄っ張り」だというが、ホストクラブで周りの客と競ったら、ここで目立ちたいと思うのはそれほど珍しいことでもないだろう。

「その翌日、妻はまた200万円を使った。誕生日明けでそれほど使ってくれる客は珍しかったのかもしれない。アキラというホストは喜んでくれて、そこからアフターに誘ってくれたり、ときにはふたりきりで会ったりもした。男女の関係もあったようです。相手はそれで妻を引きずろうとした。だから彼女は『もうあんまりお金がない』と言いながらも、行けば必ず20万くらいは使い、ここぞというときは100万単位で使った。それであっという間に貯金を使い果たし、400万の借金を作ったわけです」

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