みそ汁は「若返りスープ」だった 「凍み豆腐」「卵かけご飯」…幸せな老後のための伝統長寿食

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肥満の割合が増加

 ここまで見てきたように、日本の伝統食、和食は心身両面の健康に大いに寄与するといえます。2013年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。しかし、私たち日本人はどれだけその価値に気が付いているでしょうか。

 確かに日本人は寿命を延ばしてきましたが、厚生労働省の調査では肥満度を表す指数であるBMI値が25以上の肥満者の割合が増加しています。一汁三菜ではこうはならないはずです。やはり、欧米由来の一品完結型の弊害と思わざるを得ません。

 日本人が日本の伝統食を蔑(ないがし)ろにして不健康になっていく。こんな虚しく情けないことはないはずです。

永山久夫(ながやまひさお)
食文化史研究家。1932年生まれ。古代食や長寿食の研究を続け、平成30年度文化庁長官表彰を受ける。NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」「春日局」等で食膳の時代考証を手がける。近年は「チコちゃんに叱られる!」などに出演し、日本の伝統食の魅力を伝えている。『日本長寿食事典』等、著書多数。

週刊新潮 2022年8月25日号掲載

特別読物「『70代と80代』の『10年の差』を生き抜く! 『幸せな老後』を送るための『日本の伝統長寿食』」より

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