今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは

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ぼぼ全ての若者に対して無意味

 もう一つ、「君ならできる」がNGとなる理由がある。それは「ハードルが上がる」からだ。声をかけた側としては、自信を持ってほしくて「君ならできる」と言ったのだろうが、自己肯定感の低い若者にとってみれば、その想い自体が「圧」となる。

 以上のNGワードたちは、いずれも良かれと思って発する、大人にとってのポジティブ・ワードである。人生の先輩として決して間違ったことは言っていない。が、残念ながら少数の「意識高い系」にしか響かないだろう。そして、そんな意識高い系は、すでにこれらの言葉を十分に理解している。よって、ほぼすべての若者に対して無意味な言葉となるのだ。

「いい子症候群」の若者たちは、能力がないわけでも、やる気がないわけでもない。この小文が少しでも彼らとのコミュニケーションに役立てば幸いである。

金間大介(かなまだいすけ)
金沢大学融合研究域融合科学系教授、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授。北海道生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科物理情報工学専攻(博士(工学))、バージニア工科大学大学院、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、文部科学省科学技術・学術政策研究所、北海道情報大学准教授、 東京農業大学准教授、金沢大学人間社会研究域経済学経営学系准教授を経て、2021年より現職。

週刊新潮 2022年8月4日号掲載

特別読物「若者にかけてはいけない『NGワード』とは 人事・総務担当必読 激増する『いい子症候群』への対処法」より

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