今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは

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場を乱さず、集団と化す学生

 ただし、彼らは同時に次のような行動特性も併せ持つ。

「いい子症候群の若者たち」の行動特性(その2)

・自分の意見は言わない、言っても当たり前のことしか言わない

・質問しない

・絶対「先頭」には立たない

・必ず誰かの後に続こうとする

・学校や職場では横並びが基本

・授業や会議では後方で気配を消し、集団と化す

・場を乱さないために演技する

・悪い報告はギリギリまでしない

 こういった極めて消極的な姿勢を伴うことから、「素直でまじめ」「しっかりとした受け答え」なのにもかかわらず、「何を考えているのか分からない」「自らの意思を感じない」といった不可解な印象を与える。

 この点が「いい子症候群」の大きな特徴なので、改めて強調しておきたい。昔から消極的で主体性のない若者というのは存在した。それと「いい子症候群」とは何が違うのか。それはキャラの分かりやすさだ。かつての消極的な若者は「行動特性(その1)」のような振る舞いはしなかった。一見しておとなしく、コミュ力が乏しいだろうことがすぐに分かった。

 しかし今の「いい子症候群」は違う。一見、若者らしい前向きさがある。協調性があり、(表面的な)意欲も見せる。年配者はこれにだまされる。そしてこう言う。「今年の新人は優秀だ」。

 それではなぜ、彼らはそんな分かりにくい行動を取るのか。その内面にはどんな心理が隠されているのか。それを端的に表すと次のようになる。

どのような心理特性を持っているのか

「いい子症候群の若者たち」の心理特性

・目立ちたくない、100人のうちの1人でいたい

・変なこと言って浮いたらどうしようといつも考える

・人前でほめられることが「圧」

・横並びでいたい、差をつけないでほしい

・自分で決めたくない(皆で決めたい)

・自分に対する人の気持ち、感情が怖い

・自分の能力に自信がない

「そんなの、若者だけじゃなくてみんな同じじゃないか」と思う人もいるだろう。もちろんその通りだ。重要なのは、「いい子症候群」にとっては、自分の人生における岐路を支配してしまうほど、これらの感情が強いということだ。

 普段から若者と接する機会のある人は、彼らのやる気を引き出そうといろいろな言葉をかけてきたことだろう。

 筆者の経験上、勉強に対するモチベーションを低下させる最良の方法は、今まさに勉強しようとしている人に「もっと勉強しなさい」と言うことだ。これは効果絶大、間違いない。「もう、今からやるところだったのに……なんかやる気なくなった」と切り返された経験をお持ちの方も多いことだろう。

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