「コンビニ」アルバイトに異変 スキマ時間を使う「スポットワーカー」増加のウラ

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 いきつけのコンビニのレジに、普段見かけない店員が立っている――あなたの周りでもそんな機会が増えているかもしれない。労働問題が取り沙汰されておよそ3年、コンビニの「働きかた」は少しずつ変わり始めていた。

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「3日後の深夜シフトに急な病欠がでてしまって。慌てて募集したら2時間で応募があり、助かりました」

 と語るのは東京都心で複数のセブン-イレブン店舗を経営するコンビニオーナーだ。

 通常コンビニのアルバイトは、店舗が直に働き手を募集し、曜日や時間を固定したシフト制で雇うかたちをとる。一方、このオーナーがいう“募集”とは、決められた特定の日時にだけ働ける超短期の働き手を求人するもの。

「うちの店舗の時給は1100円ですが、この時は急ぎだったので、時給を1500円まで上げて募集しました。応募は複数あって、支払う交通費を考えて、お願いする人を決めました。千葉から来る方で片道1時間かかりますが、ご本人が希望していたので」

 こうした「スキマ時間」をコンビニで働く「スポットワーカー」が増えているという。

“雇って失敗だった”のリスクも減

 日雇い派遣とは異なり、いわゆる仲介業者はなく、店舗と応募者が直接雇用契約を結ぶのが特長だ。今回取材に応じたオーナーが利用しているのは「ショットワークスコンビニ」というサービス。コンビニ勤務経験のある求職者が登録すると、人手のほしい店舗とマッチングされる仕組みだ。

「いくつかプランが用意されていますが、うちの場合は3万円の月額をサービスに支払い、月に60人まで応募を受け付けることができます。店舗を任せている店長からの要請を受けて、その都度、募集する形ですね。普通のやり方でアルバイトを集めるとなると、求人サイトなどに登録する必要があり、一人あたりだいたい5万円のコストがかかります。でも“5万円もかけてこの人材か……”と思う結果になることも少なくなく、すぐ辞められてしまうことも。未経験者だとゼロから仕事を教える必要もあります。その点、マッチング経由であればセブン-イレブンの勝手を知っている経験者が来てくれる。どこの店舗でどれくらいの勤務経験があるか、過去の遅刻歴なども加味して採用できるわけです」

 競合するサービスとしては他に「Timee」「LINE スキマニ」がある。店舗が払う利用料が月額ではなく利用者に払う日給の3割だったりといった違いはあるが、同様の仕組みのようだ。

「『Timee』の場合、店側が応募者を精査するわけではなく、強制的にマッチングされる仕組みです。こっちのほうが手間が無くて使い勝手がいい、というオーナーさんもいますよ」

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