「コンビニ」アルバイトに異変 スキマ時間を使う「スポットワーカー」増加のウラ

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ただし課題も…

 ただし、その店舗に慣れていないスポットワーカーではカバーできない業務も当然ながらある。先のオーナー氏がいう。

「『これ置いていますか?』といった品ぞろえの問いあわせ対応は難しい。だから店にスポットワーカーの方がひとりだけ、という状況は作らないよう、ベテランの従業員と組んでもらっています。また同じチェーンでもレジ袋や箸の置き場所が店によって微妙に異なり、たまに戸惑われる方もいます。あとはうちの店はタバコを扱うので、タバコのある店舗に勤務したことがある人しか雇えません。仮にスポットワーカーの方がなにかトラブルを起こし、後日、お客様からクレームを頂いても、平謝りするしかない。本人はもう店にいないわけですから」

 先の渡辺氏も次のような課題をあげる。

「立地に左右されてしまうサービスではありますね。店が密集し働き手となる人口が多い都市部では需要と供給がマッチしますが、そうでない地域では、募集をかけてもうまく集まらないのでは。『ウーバー』の配達員が地方では少ないのと同じです。また、スポットワーカーは通常のアルバイトよりも雇用コストがかかります。採算ラインがギリギリの店舗で気軽に利用することは難しく、結局、欠勤などの穴を今いる従業員や店長で補う必要は出てきてしまう。コンビニ本部が補助をするような仕組みがあるといいですね。それと個人的には、ごく短い勤務が当たり前になると、お店の『チーム』感が薄れるのも気になるところ。愛店精神といいますか、働き手の良いお店にしたいという思いが、利用する側が気持ちよく買い物できることにも繋がるわけです。精神論で、時代錯誤の考え方かもしれませんが……」

 平日に仕事のあるビジネスパーソンが、土日の“副業”としてコンビニに立つ、なんて利用もあるという。新しい働きかたの行方に注目である。

デイリー新潮編集部

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