村上宗隆に続く「和製大砲候補」6人の実名 野手に転向した“変わり種”も

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野手に転向した本格派右腕

 意外な経歴で面白い存在となりそうなのが、高卒4年目の勝又温史(DeNA)だ。日大鶴ヶ丘では、最速150キロを超える本格派右腕として注目を集め、ドラフト4位で入団。プロ入り後にフォームを崩し、3年目の昨年オフに育成契約となると同時に、野手に転向したという経験を持つ。

 野手1年目の今シーズンは、二軍でチーム2位タイとなる5本塁打を放ち、打率も.280と見事な成績を残している。この鮮やかな“転身”に、他球団の関係者も驚いたという。

「ピッチャーとしてはちょっと見てられない状態でしたが、こんなにバッティングが良いというのは驚かされました。体もスイングもとにかく強い。ヘッドがよく走るし、フォローが大きいのがいいですよね。パワーだけでなく柔らかさもある。(プロ入りの)最初から野手でスタートしていたら、今頃一軍だったかもしれませんね。それくらい能力のある選手だと思いますし、本拠地がホームランの出やすい横浜スタジアムだというのも有利ですよね。とにかく練習熱心だそうで、その点も首脳陣の評価が高いようです。順調にいけば、支配下への復帰も近いかもしれません」(前出のプロスカウト)

 今年で22歳ということは大学4年生と同じ年齢であり、それを考えると、二軍とはいえ、これだけ打てる選手というのは貴重である。チーム内に外野手は多いものの、中堅、ベテランに集中しているだけに、近い将来のレギュラー獲得のチャンスは十分にありそうだ。

 他にも、昨年イースタンでホームラン王と打点王に輝いた渡部健人(西武)や、ルーキーながら二軍で早くも6本塁打を放っている岡田悠希(巨人)なども面白い存在だ。

 今年はパ・リーグを中心に“投高打低”と言われているが、そんな空気を大きく変えるような若手のスラッガーが日本球界を盛り上げてほしい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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