コンビニの戦略に「ドハマり」 女優・片山萌美が思わず手に取る“限定”商品

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 全国5万8000店舗、年間155億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。

 今回のゲストは、グラビアで注目を集め、現在はTVドラマや映画で活躍中の女優・片山萌美氏。渡辺氏とは8年来の付き合いだが、互いにコンビニについてじっくりと話をするのは初めてとのこと。東京で生まれ育ち、コンビニが近くにあって当然という“コンビニネイティブ”である彼女にとって、コンビニとはどういう存在なのか?

「期間限定商品」はコンビニの十八番

渡辺広明(以下、渡辺):初めて会ったのは8年前かな?

片山萌美(以下、片山):だいぶ長いお付き合いになりますね。正直、初めて会ったときは渡辺さんが何者かよくわかりませんでした(笑)。

渡辺:僕、これまでいろいろな商品開発に携わってきて、いろいろなブランディングを行ってきたんだけど、もしかしたら最も成功したブランディングは自分自身かもしれない。当時の僕は「よくわからないお喋りなオジサン」だったでしょ? でも、そこからニュース解説者とかコメンテーターとかの仕事も増えて、だいぶ印象も変わったと思う。

片山:たしかに! 渡辺さんの説明をするとき「『ホンマでっか!?TV』(フジ系)の人」と言えば、だいたい伝わりますから。ブランディング大成功ですね。

渡辺:そう。ただの「お喋りなオジサン」じゃなくて、「コンビニとかマーケティングに詳しい、お喋りなオジサン」なんですよ。だから、今日もコンビニについていっぱい話したいと思います。

片山:よろしくお願いします(笑)。

渡辺:平成生まれで、東京生まれの東京育ち。物心ついた頃には、すでにコンビニが日本全国を席巻していた“コンビニネイティブ”世代ですね。

片山:中学・高校時代は、友達と「お菓子パーティー」をよく開催していましたが、購入先はもっぱらコンビニでした。

渡辺:スーパーは利用しなかった? 10代のお財布事情的には安い方がいいでしょ。

片山:コンビニの方が近かったから…ですかね。

渡辺:確実に売れる商品しか扱ってないから、ラインナップの安心感も大きかったのでは?

片山:それは大きかったかも! 品揃えはスーパーの方が圧倒的だけど、多すぎて迷っちゃうんですよ。その点、コンビニはちょうど良い品数で、なおかつ欲しいお菓子が置いてあったと思います。あと「じゃがりこ」(カルビー)などの期間限定の味は、スーパーにはあまり置いてなくてコンビニにあった気がする…。

渡辺:いわゆる「期間限定」の商品は、コンビニが得意とするところです。なぜなら、一定の製造数がないと限定でつくれないから。コンビニは圧倒的に店舗数が多いので、サクッとつくって、なくなればそのまま販売終了できる。スーパーの店舗数で同じことをやるのは、なかなか難しいんですよ。

片山:そういうカラクリだったんですね。

渡辺:かつてコンビニは「世の中で売れている商品が並ぶ店」でしたが、2000年前後を境にお菓子やアイスなどの限定商品が増えていきました。食品以外だと、僕がロート製薬とつくった「もぎたて果実」というリップクリーム。CMにKAT-TUNを起用して、めっちゃ流行ったんだけど憶えてる?

片山:憶えてますよ! 私、買いましたもん。あれもコンビニ限定?

渡辺:いや、あれは通常の5フレーバーくらいはドラッグストアなどで販売されていました。でも、ロート製薬はもともと開発するにあたって7フレーバーくらいを考えていたんですよ。だから、その一般販売から漏れたフレーバーをローソン限定で販売させてもらったところ、一般販売の「もぎたて果実」よりも2倍近く売れました。

片山:「コンビニ限定」効果ということですか?

渡辺:そう。リップなんてドラッグストアで買った方が明らかに安いけど、コンビニ限定商品はコンビニでしか買えない。だから、定価販売でもついつい心を許しちゃうんですね。

片山:悔しいけど、買っちゃう気持ちはよくわかります。

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