酷暑の東京を「ノーマスク」で過ごしてみたら(ネットニュース編集者・中川淳一郎)

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 いつまで続くんだ、このマスク生活は。2020年1月に始まった型コロナ騒動だが、よく飽きもせず日本は2年半もやり続けられたものだ。2022年に入り、世界各国がいくら陽性者数が多くとも「もう終わり!」とやったのは、結局社会の空気感として「もうコレ、そこまで重視しないでいいんじゃね? もういい加減、昔の生活に戻りたいわ。その象徴であるマスクなんてさっさと外すわ!」というマインドになったからであろう。

気の緩みが

 一方、「さざ波」被害の日本がそのマインドにならない最大の理由は、パンデミックの象徴たるマスクの装着を国民の大多数が頑なに継続しているからである。マスクにコロナ撲滅の効果があるのなら、国民にすっかりマスクが行き届き、第一回緊急事態宣言で都会から人が消えた2020年4月の「第一波」で終わっているはずではないか。夏の第二波においては「マスクを外して回し飲みをしたホストが悪い」「歌舞伎町が悪い」といったことから「夜の街叩き」になったが、結局よく分からないまま第二波も収束した。

 毎度陽性者が増えたら専門家は「気が緩みマスクを外す機会が増えた」「ワクチンの抗体が減った」「人流が増えた」「エアコンの使用で換気が悪くなった」などと言うが、減った場合は理由を言えないことばかり。「えーと……」とやっている内に次の波がやってきて再び喜々として「気の緩みが原因です(キリッ)」とやるのである。

 もう、マスクに新型コロナウイルスを防ぐ効果はない。私は医療従事者でもなんでもないが、コロナ陽性者の増減の理由なんてもんは「生きていれば誰でも分かる」程度のものである。要するに、「人間の感染対策をあざ笑うかのように増えたり減ったりするしろもの」なのだ。2021年5月に東京都が発表したデータでは、陽性者のほとんど がマスクをしていたのである。それと、厚労省のデータより、ワクチンについても「むしろ2回接種した人の方が非接種者よりも感染しやすい」ことは明らかになった。

 さて、そのような前置きをしたうえで、現在唐津市に拠点を構える私が6月29日から7月2日まで東京に滞在した時の「マスクと東京」について報告する。結論から言うと、「東京の一部の『脱マスク』は進んでいて、ギョーテンした」である。

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