6代目山口組側からの圧力と神戸山口組の井上組長との軋轢で、進むも退くも展望ナシの神戸山口組の寺岡修若頭

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

そろそろ潮時ではないか

 6代目山口組による神戸山口組への包囲網が狭まっていく中、とりわけ神戸山口組の寺岡修若頭(73=俠友会会長)を取り巻く環境は厳しく、その一方で神戸山口組の井上邦雄組長(73)との軋轢も噂されている。その辺りの事情について、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

 ***

 2021年12月6日、徳島市内にある民家が銃撃され、犯人と見られる男が拳銃を所持して交番に出頭、銃刀法違反の容疑で逮捕された。

 2022年6月18日、同じく徳島市内の飲食店内で金属バットを振り回し、入口のドアなどを損壊させたとして、男2人が建造物損壊の容疑で逮捕された。

「両事件で逮捕されたのは、いずれも6代目山口組傘下の組員でした。狙われたのは、去年の銃撃については寺岡若頭が目をかけている女性宅、そして今年6月の件はその女性がやっている焼肉店でした」

 と、竹垣氏。

「家族でないにしても家族に近い存在でしょうから、そういった間柄の人がしつこく嫌がらせを受けたら、本人にもじわじわボディブローのように効いてくることでしょう。そして、『そろそろ潮時ではないか』という話が出てくる可能性もありますよね」(同)

解散話が進まないことへの苛立ち

 もちろん、6代目山口組からターゲットとされた神戸山口組の幹部は寺岡若頭に限らない。今年5月には入江禎副組長(77=2代目宅見組組長)、翌月には井上邦雄組長が、相次いで6代目山口組側から自宅への車両特攻や銃撃を受けている。

「寺岡若頭の場合、狙われた女性はあくまでもカタギですし、複数回に及んでいることからも、寺岡若頭への圧力を弱めないという6代目側の執拗さを感じさせました」(同)

 井上組長、入江副組長、寺岡若頭というトップ3の中で、寺岡若頭がより狙われる理由があるのだろうか。

「寺岡若頭は神戸山口組の解散を推進する立場と見られてきました。6代目側もそれを踏まえて推移を見守ってきたものの、解散や井上組長の引退といった話が一向に進まないことに苛立ち、先述の銃撃などに打って出たのではないかという解釈が優勢です」(同)

 実際には説得工作などの面で、寺岡若頭が手をこまねいていたわけではない。

「陰に陽に井上組長に話をしてきたようです。しかし不首尾に終わり、そうこうするうちに、井上組長との間に埋め難い溝ができてしまったと聞いています」(同)

次ページ:行き違いが進んでいった経緯

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。