中国で「特殊詐欺の架け子バイト」をして4年半投獄された日本人の告白「取り調べ室で吊るされて自白を強要された」

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 特殊詐欺で一儲けしないか――。そんな誘いに乗って中国・福建省に渡り、現地当局に逮捕・収監された男性がいる。暴力あり弁護人なしの違法な取り調べ。自白を強要され、不衛生極まりない拘置所・刑務所で暮らした4年半もの獄中生活とは――。(全2回の前編)

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新聞でも報じられた35人

 記者の前に現れたのは、30代の大人しそうな男性だった。髪型や服装も地味で、とても“前科”があるような人物には見えない。

「そろそろ働かないと、とは思ってはいるのですが、まだリハビリ中といったところです」

 語り口も穏やかなこの青年。実は5年前、おどろおどろしい罪名 で、新聞・テレビで報じられた過去を持つ。

〈振り込め詐欺事件に関わったとして、中国の捜査当局が7月初めまでに、福建省で日本人35人を詐欺容疑で刑事拘束したことが、日中関係筋への取材で分かった。中国で一度に拘束される邦人数としては異例の多さだ。

 関係者によると、千葉県内で発生した別の事件に関与した日本人の男について、警察庁が日中刑事共助条約に基づく協力を中国側に要請。中国当局の捜査で、この男を含む日本人35人が振り込め詐欺事件に関与している疑いが強まった。中国から電話をかける「かけ子」だった疑いがあるという。(中略)中国当局が6月30日に35人を拘束し、今月3日、広東省広州の日本総領事館に通報があったという〉(読売新聞:2017年7月13日付)

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