佐々木麟太郎だけじゃない!「広陵のボンズ」も超高校級……高校2年生に“金の卵”が続々

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報徳学園では小園海斗以来の大物

 捕手で筆頭候補となりそうなのが、堀柊那(報徳学園)だ。地肩の強さ、フットワークともに抜群のものがある。2.00秒を切れば強肩と言われるイニング間のセカンド送球タイムでは、楽々と1.8秒台をマークした。

 低い軌道で、一直線にセカンドまで届くボールの勢いは、高校生ではなかなか見られるレベルではない。打撃面をみると、近畿大会の智弁和歌山戦ではホームランを放つなど、パンチ力も十分だ。

「ポジションは違いますけど、報徳学園では小園海斗(現・広島)以来の大物ではないでしょうか。入学した時からスローイングは抜群で、2年生になって、さらに良くなったように見えます。まだ少しプレーが雑で慌てるところがあるので、課題はそのあたりの丁寧さですね。細かい部分をしっかり鍛えて、落ち着いてプレーできるようになれば、十分、高校からプロ入りを狙えると思います」(関西地区担当スカウト)

今夏の大ブレイクに期待がかかるサウスポー

 最後に投手。今春の選抜優勝に大きく貢献した前田悠伍(大阪桐蔭)が早くから注目を集めている一方で、この春に急浮上してきたサウスポーが東松快征(享栄)である。

 3月の練習試合では、選抜出場予定だった京都国際(部員の新型コロナウィルス感染で出場辞退)を相手に6回を投げて自責点0の好投。春の県大会では、最速149キロを記録したという。6月に行われた天理との招待試合でも、最速147キロのストレートを武器に見事なピッチングを見せている。たくましい体格から勢いのあるボールを投げ込むパワーピッチャーで、緩いカーブなど変化球のコントロールも悪くない。この夏に大ブレイクが期待できる逸材だといえる。

 このほか、140キロ台後半をマークしている宮国凌空(東邦)、1年時から140キロを超える大型右腕として評判のハッブス大起(東北)、小柄ながらスピードでは九州ナンバーワンの呼び声が高い松石信八(藤蔭)などもスカウト陣から注目を集めている。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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