今さら「拘禁刑」創設のウラ 新聞・テレビは解説しない刑務所のヤバい実態
現場の苦労は増加!?
そんな努力の甲斐あって、晴れて国も「懲罰より教育」を公式に認めた──これが事実ならハッピーエンドだが、実際はそんなに簡単ではないという。
「刑務所における再入所者が増えているのは、所内における再犯防止教育がうまくいっていないからです。再入所者は、高齢や精神疾患、極端な貧困といった深刻な問題を抱えており、教育が意味を成さないケースも珍しくないのです」(同・河合教授)
刑法を改正したからといって、刑務所の現場に特効薬や処方箋が与えられたわけではない。
「これまでと同じように現場の試行錯誤は続くでしょうし、苦労が増えることはあっても、減ることはないと思います」(同・河合教授)
註1:“懲役”と“禁錮”一本化した「拘禁刑」創設 改正刑法成立(NHK NEWS WEB・6月13日)
註2:侮辱罪厳罰化、改正刑法が成立 「拘禁刑」を創設(時事ドットコムニュース・6月13日)
註3:『令和3年版 犯罪白書』
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