「僕は不倫されても当然なのか」 幸せな結婚生活を暗転させた、年上再婚妻のあり得ない一言

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妻の一言

 家に連れ帰り、彼との関係を聞いた。もう3年になる、という。以前は月に1度くらいしか会っていなかったが、子どもたちが家を離れたころから頻繁に会うようになったと、希実さんは悪びれずに話した。

「ホストは僕の目をくらませるためのおとりだったのかと思ったら、ホストはホストで惚れていたという。希実が、それまで知っている僕の妻の顔ではなくなっていると感じました」

 一体、何がどうなってしまったんだと彼がつぶやくと、希実さんは彼をじっと見て言った。

「あなたは優しすぎるのよ」

 優しい夫は妻に不倫されてもしかたがないのか。自分はずっと希実さんに寄り添って生きてきた。あんなにかわいい子どもたちもいるのに、家族なのに。オレたちはふたりでこれからも生きていくはずじゃないか。矩之さんは声を荒げた。

「あなたがもっと強く私をつなぎ止めてくれれば、こんなことにならなかったのにと希実は泣くんです。どういうことかさっぱりわからなかった。妻は『あなたはずっと子どもたちのことばかり気にして、私を女として扱ってくれなかった』と。結婚したときに思春期の女の子がふたりいたし、それほど広い家に住んでいたわけでもない。だから僕たち、たまにしか性的関係をもてなかった。 彼女も何も言わないし、そのうち“しない”のが当たり前になってしまった。僕はたまに風俗に行くこともありましたが、心のどこかで希実に性欲を持ってはいけないような気になっていたのかもしれない。でも妻は実は不満が増大していたんでしょう。そのうち僕を見切るようにホストにはまり、男にはまっていった」

 ふたりきりで生活していても、性的な関係は復活しなかった。矩之さんは希実さんが更年期で体調を崩しがちだったのを知っていたから、よけいそんなことはできないと感じていたのだ。ところがその裏で、妻は性欲を持て余し、夫を諦めて、そのはけ口を他に求めていた。

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