パワハラは認定されず「愛媛農業アイドル自殺訴訟」で原告の遺族が敗訴 「誹謗中傷に苦しんだ3年半」を事務所社長が告白

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「主文。原告らの請求をいずれも棄却する」

 愛媛県を拠点に活動していた“農業アイドル”グループ「愛の葉Girls(えのはガールズ)」のメンバーだった、大本萌景(ほのか)さん(享年16)の自殺から4年3カ月。遺族側が、「自殺は元所属事務所のパワハラや苛酷な労働環境が原因である」として、元所属事務所社長らを相手取り約9200万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決が、6月9日、東京地方裁判所で言い渡された。

 裁判所は「グループの活動により、萌景さんに正常な認識等が阻害される程度の強い精神的負荷がかかっていたとは認められない」とし、遺族側の訴えを全面的に退けた。被告となった元所属事務所社長に、誹謗中傷を受けながら3年半、戦い続けた裁判について語ってもらった。

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白黒はっきりつけたかった

 判決を2週間後に控えた5月下旬、「愛の葉Girls」の元所属事務所「hプロジェクト」社長の佐々木貴浩氏(54)は、晴れやかな表情をしていた。

「どんな結果も受け入れるつもりです。白黒はっきりつけてもらいたいという思いで、裁判を戦い抜いてきました。遺族の提訴会見から、ものすごいバッシング報道が始まり、私や家族、会社のスタッフ、友人たち、みんなが大変な思いをしてきた。挫けそうになったことは幾度もありますが、『絶対負けないで』という周囲の温かい励ましを受け、なんとかここまで持ちこたえてきました。裁判でもしっかり主張させていただきましたが、私も会社も、萌景さんにパワハラなど一切していません」

 萌景さんが亡くなったのは、18年3月。同年10月、萌景さんの遺族から訴えられたことで佐々木氏の人生は激変していく。

「もっと彼女のために出来たことはなかったのだろうかと後悔もあります。ただ、まさか矛先が自分に向けられるとは思いもよらなかった」

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