ミサイル連発でも「コロナで苦しむ北朝鮮」に援助したい林外相 日本で余るモデルナワクチンを供与する案も

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金正恩は“殺人犯”

 例えば、日本政府は長年にわたり、バングラデシュに対する援助を続けてきた。特にミャンマーからの避難民が殺到したため、難民キャンプなどに人道支援を行っている。

「ミャンマーの軍事政権には問題が多く、そこから逃げてきた人々に支援を検討するのは当然です。対象国であるバングラデシュも、世界有数の貧困国として知られています。更に、国民の勤労意欲が高いことでも有名です。アブドゥル・ハーミド大統領(78)が国際社会から問題視されているという報道もありません。人道支援を行うべき国家だということになります」(同・佐瀨氏)

 では、北朝鮮に3条件を当てはめてみると、どのようになるか。

「2017年、金正男氏(1971~2017)がマレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺されました。米韓の諜報機関などは、暗殺を命じたのは異母弟の金正恩総書記(38)という調査結果を明らかにしています。これが事実であれば、金正恩氏は兄の殺害を企図した主犯です。刑事事件の容疑者である可能性があるわけです。これだけで人道支援の対象国と見なすわけにはいきません」

人道支援=独裁制支援

 粛清、人権弾圧、不正蓄財……金正恩の罪を挙げればきりがない。日本との間には、拉致問題も存在する。

 それでも、北朝鮮の国民は被害者のはずだ──こうした主張が一定の説得力を持つのは事実だろう。

「罪のない北朝鮮の人々は助けるべきだという主張に、理解を示す人がいるのは分かります。とはいえ、北朝鮮への支援は、金正恩の独裁体制を支援することと同義です。厳しい言い方になりますが、もし北朝鮮の国民が新型コロナに対する人道支援を必要とするなら、まずは彼らが金体制を打破する必要があるのです」(同・佐瀨氏)

デイリー新潮編集部

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