51作の長期シリーズに…ヤクザを描くVシネマ「日本統一」はなぜ人気なのか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

 人気を背景に過去50作も制作されたVシネマのシリーズ「日本統一」をご存じだろうか。本宮泰風(50)と山口祥行(50)が扮するヤクザが仁侠界の日本統一を目指す大河ドラマである。5月25日には51作が発売された。コンプライアンス最優先の時代になぜ人気なのか。

「日本統一」の第1作が発売されたのは2013年7月。超異例の長期シリーズとなった。人気があるからにほかならない。どの有料配信サービスも売り物にしている。50作のうち3本は劇場でも公開された。

 主人公の1人は氷室蓮司。神戸に本拠を置く日本最大のヤクザ組織・3代目侠和会の若頭だ。演じているのは本宮泰風である。松本明子(56)の夫で、原田龍二(51)の実弟だ。

 本宮はこのほどNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に比嘉家の長男・賢秀(竜星涼)の所属するボクシングジムのトレーナー役で出演。朝ドラデビューも遂げている。

 もう1人の主人公は侠和会本部長の田村悠人。演じているのは山口祥行だ。山口はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に河津祐泰役で出演した。

 横浜の藤代組組長の息子として生まれた氷室と幼なじみの田村は不良仲間だった。2人は地元で怖いものなしの存在になり、ついには本職(ヤクザのこと)の安西組を潰してしまう。組長をピストルで脅し、解散届を書かせた。ムチャクチャである。

 それにより2人は安西組の上部団体・丸打組に命を狙われ、横浜にいられなくなる。安西組の若頭・秋本(哀川翔)の忠告もあって、神戸に逃げた。

 ここでも2人は龍征会という独立組織をつくり、やっぱり大暴れ。今度は権田誠蔵(故・千葉真一さん)が初代会長を務める神戸の侠和会の怒りを買い、傘下の三上組に攻められる。殺されそうになった。

 絶体絶命のピンチを救ってくれたのは同じく侠和会系山崎組の若頭・川谷雄一(小沢仁志)である。川谷は2人のヤクザとしての資質(?)を認め、死なせるのは惜しいと考えた。2人は三上組に入ることになり、やがては川谷を侠和会の3代目会長に押し上げる。

 氷室は腕っ節が凄まじいまでに強く、キレると恐ろしいが、普段は頭脳派。抜群に頭が良い。田村は常にイケイケの武闘派だ。物語は侠和会で出世コースを歩む氷室が軸となって進む。

 50作までは抗争に次ぐ抗争だった。女性はほとんど登場せず、ラブシーンは一切なし。ヤクザ映画にありがちな賭場のシーンもゼロに等しい。こう書くと単調な物語と思われてしまうかも知れないが、実際には面白い。どうしてか?

次ページ:4つの人気の理由

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。