街の“嫌われモノ”電動キックボード 相次ぐ無免許、酒気帯び、ひき逃げ…事業者の見解は

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「ここは走っていいですか?」の質問にも24時間対応

「サムライド」が大阪市内で行った実証実験は、初乗り10分100円。以降は1分につき15円という料金で、利用時間は6時から19時までだった。

「他社のシェアサービスでは24時間利用できるものもあり、深夜でも利用できるとなると、その分、飲酒運転のリスクは高まるのではないでしょうか。当然、飲酒運転が禁止されていることは利用者にも周知されていますが、それでも守らない人は守らないということでしょう。電動キックボードだから飲酒運転が起こるというわけではなく、自転車や車でも違反と知りながら飲酒運転をする人がいるのと同じことだと思います」(同前)

 つまり利用者のモラルの問題というわけだ。

「禁止されているのに歩道を自転車で走る人が多いように、どんな乗り物であってもルールを守らない人が出てきてしまいます。事業者としては、交通ルールをできるだけ分かりやすく周知するとともに、安全講習会やサービス開始前にテストを実施するなどして、今後とも利用者の意識の向上に努めたいと思います」(同前)

「サムライド」の特徴は、LINEを使ってサービスを利用できる手軽さである。利用者の交通ルールに関する疑問にもLINEで答えている。

「24時間受け付けており、月に数千件ほどの問い合わせが寄せられます。例えば、『どうやって乗ればいいですか?』とか『この標識があるところは走っていいですか?』など、チャットで写真を送っていただければ、すぐにお答えします。操作方法や乗り方については文章で説明していますが、読んだだけではなかなか理解しづらいみたいです」(同前)

事故件数は非公開

 ミントグリーンの車体が印象的な「LUUP(ループ)」は、東京、大阪、京都などでレンタルサービスを提供している。政府の特例措置のもと、昨年4月から国内で初めて電動キックボードのレンタルサービスを開始した先駆けでもある。

「年代は幅広く、20代から50代を中心に、男女ともにご利用いただいています。具体的な数や内訳は非公開ですが、数万人にご利用いただいています」(広報担当者)

 転倒や接触などの人身事故や物損事故が発生している実態は認めつつ、その件数についても同様に非公開だという。

 否定的な意見が出ていることについては、

「真摯に受け止めております。弊社も参加する実証実験での検証結果を踏まえ、今後も交通ルールの整備に向けた関係省庁による議論が進められていくものと考えております。弊社としましては、その中身も含め、新しい形のモビリティに対するご理解を多くの方々にしていただけるよう、今後も説明などの努力を続けてまいります」(同前)

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