終戦後、朝鮮人を利用して勢力を拡大した共産党 党史には書かれない“不都合な真実”

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党史に記載がない理由

 その理由を、共産党の参議院議員を3期務めた吉岡吉典が韓国メディアにこう答えたことがあった。

「――日本共産党史から朝鮮人党員たちの活動記録が抜け落ちている。特に“血のメーデー事件”や“吹田事件”等、1952年の歴史的な反戦闘争は共産党の指導の下に行われたが、これに対する言及がない理由は何か。

 そうだ。共産党の歴史書には彼らの活動を取り扱っていない。支部の次元で記録したものがあるのかもしれないが……。私は1980年代に『日本共産党60年史』を著した。その時、執筆委員たちが朝鮮人党員の活動に対して書くのか否かを討論した。しかし、結論は書かないこととなった。

 ――それはなぜか。

 北朝鮮でまず記録しなければならない問題であり、われわれが先んじて一方的に記録することは適切ではないと判断した。故意に除外したというよりは、書けなかったという方が適切だ。朝鮮人の党活動を否定するのではなく、われわれが整理すれば他の国への干渉という行為になりかねないからだ。在日朝鮮人の多数を占める“朝鮮籍”は外国人である。日本で法的には、政党が外国人から金銭の授受があるだけでも不法である。『外国人(朝鮮人)の内政干渉禁止』は当然の原則だが、1950年代そのような原則はなかったというのがもどかしい限りだ。

 ――朝鮮人という理由で、故意に省いたのではないか。

 そういう誤解もあり得るが、それは違う。

 ――いまからでも、共産党として整理する気はないのか。

 個人的に歴史書を書くのであれば可能かもしれない。在日朝鮮人は日本共産党の恩人である。この事実を知る共産党1世たちはすでに世を去った。若い共産主義者たちは、日本共産党の歴史において朝鮮人がいかに大きな役割を果たしたのかを知らない。しかし、公式党史を書くにあたり、北朝鮮との関係等のさまざまな問題を無視できない」(韓国の時事週刊誌「ハンギョレ21」2005年9月8日号)

 吉岡は2009年に訪問先のソウルで客死しているが、韓国で徴用工問題が提訴され日韓関係の懸案となっているいまこそ、日共は朝連との関係を調査し、徴用工の未払金問題を含め、その実態を明らかにすべきではないのか。それが結党100年を迎える日共の責務ではないのか。

日共の指揮の下、数々の暴力事件が

 解散後の朝連関係者たちに少し触れておく。その一部は日本国内に祖国防衛隊を組織し、そこへ大韓民国居留民団系青年組織も一部参加して「在日朝鮮民主戦線」(民戦)が結成され、北朝鮮革命勢力による民族統一を支援した。1950年に勃発した朝鮮戦争では、米軍の兵站基地となった日本で、基地からの物資輸送を阻止するため、日共の指揮の下、数々の暴力事件を起こした。

 日共は1950年、ソ連を中心とするコミンフォルムからの批判をきっかけに平和革命から暴力革命路線に舵を切っていた。1951年2月の第4回全国協議会で「軍事方針」を決定し、10月の第5回全国協議会では「われわれは武装の準備と行動を開始しなければならない」と、日朝の暴力革命を目指した。

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