【知床観光船事故】「KAZU I」船体捜索と引き揚げ費用で強欲社長にいくら請求すべきか

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費用は高額なのか?

 豊田氏は、ニュースサイト「まいどなニュース」で、「『明けない夜はない』~前向きに正しくおそれましょう」との連載コラムを持っている。

 5月6日には、「知床観光船事故、船体引き揚げ費用が高額になる理由 法的・制度的・実務的に論点を整理」を発表。このコラムは神戸新聞やデイリースポーツ(いずれも電子版)などにも転載された。

 それでは豊田氏の記事から、費用に関する部分を引用させていただこう。

《今後、船の引き揚げが行われることとなった場合には、通常は数十億円の費用がかかると言われています》

《サルベージの費用は高額(沈没船の引き上げは、大きさ・重量、深度、海の状況等にもよりますが、通常、数十億~数百億円かかる)になるわけですが、それは日本に限らず、世界的にも同様です》

セウォル号は約90億円

 担当記者は「確かに、これまでも引き揚げ費用として、数十億円単位の費用が報じられたケースはあります」と言う。

「2001年、愛媛県立宇和島水産高校の実習船『えひめ丸』は、アメリカ海軍の原子力潜水艦に衝突され沈没しました。浅い海域に引き揚げ、船内を捜索し、最後は沈船処理を行いました。総費用は約72億円と報じられています。2014年に沈没した韓国の『セウォル号』の場合、約90億円で引き揚げの契約が業者と結ばれました。しかし、作業の難航で追加費用が発生したと伝えられています」

 日本で関心が高かったのは2002年、鹿児島県・奄美大島沖で行われた、北朝鮮の不審船の引き揚げ作業だ。

「2001年12月、海上自衛隊が奄美大島沖で不審船を発見し、海保に通報しました。巡視船が不審船に接近すると、自動小銃やロケット砲で攻撃され、海上保安官3人が負傷しました。海保側も応戦すると、不審船は爆発を起こして沈没したのです」(同・記者)

 この引き揚げには、58億8500万円の予算が投じられた。

「3つのケースとも、数十億円という多額の費用がかかっています。ただ、引き揚げ対象となった船は、いずれも外洋を航海できる能力を持っていました。基本的に、船が大型になると引き揚げ費用も増加します。例えば、えひめ丸は499トン、セウォル号は約6000トンでした。一方の『KAZU I』は19トンしかありません」(同・担当記者)

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