ロシア軍を苦しめるウクライナ軍“伝説のスナイパー” 劇的に変化した彼らの重要な役割とは

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スナイパーの“変化”

「日本でスナイパーへの関心が高まっている理由として、ウクライナの戦況報道も影響していると思います。ロシア軍は少将とか大佐といった指揮官クラスが相次いで戦死しており、注目を集めました。一部のメディアは『最前線に現れた指揮官を、ウクライナ軍のスナイパーが狙撃している可能性がある』と指摘しています」(同・軍事ジャーナリスト)

 ウクライナの戦場では、『ゴルゴ13』のデューク東郷のようなスナイパーがロシア軍の指揮官を次々に射殺している──思わず、こんな情景を想像してしまう。

 だが、先の軍事ジャーナリストは「完全に間違っているとは言いませんが、リアルな状況とは異なります」と言う。

「重要人物をターゲットにした“対人狙撃”がなくなったわけではありません。ただし、現代の戦争で、スナイパーはより重要な任務を帯びています。彼らは戦場の最前線で、“司令塔”としての役割が求められているのです」

待ち伏せ攻撃

 スナイパーは、スポッター(観測手)とコンビを組む。スナイパーは前方の監視と狙撃に集中する。

 一方のスポッターは、スナイパーに標的の位置情報や風向きなどの気象情報を知らせ、射撃の指示を出し、更に周囲の安全を確保する重要な役割を担う。

 ある意味、スナイパーの上官とも言うことが可能で、階級もスポッターが上のケースが多い。

「最新型の対物ライフルだと、その射程距離は2〜3キロに達します。観測機器も発達しましたし、ドローンも活用すれば3キロ先の状況でも把握できます。通信機器の性能も向上しましたので、後方の司令部や周囲の自軍部隊と緊密な連絡が可能になりました。現代のスナイパーは“3キロの距離”を利用し、敵軍を撃破する先兵となるのです」(同・軍事ジャーナリスト)

 ウクライナにおける、具体的な状況を想定してみよう。ロシア軍の侵攻をキャッチし、待ち伏せが可能な場所が見つかれば、スナイパーの出番だ。

「この地点でロシア軍を撃破する“キルゾーン”を決めます。対戦車ミサイルや自爆型ドローンの照準をキルゾーンに合わせておくのです。スナイパーは3キロ離れた場所に、完全に偽装した姿で潜み、周囲に溶け込みます」(同・軍事ジャーナリスト)

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