乳酸菌だけでは不十分? 高齢者が大腸のために取るべき菌とは

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いつ食べるのがいい?

 また、摂取のタイミングも大事です。よく急激な血糖値の上昇を抑えるために、炭水化物を取る前にヨーグルトを食べるといいといわれます。しかし、本来ビフィズス菌は胃酸に非常に弱いので、胃酸が弱まる食後がいいと思います。さらに、脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸にも弱いので、脂肪分の少ない食品と一緒に取ると、胆汁酸の分泌が低く抑えられ、ビフィズス菌が生きたまま大腸に到達する可能性が高まります。免疫機能を刺激する乳酸菌は小腸の機能が活発になる就寝前に摂取するのが理想ですが、先述の通りビフィズス菌にはそうした効果のある菌株は少ないので、免疫機能を高めたいなら乳酸菌にお任せすればよいでしょう。働く場所が小腸と大腸で違うのでバッティングはしません。

 ビフィズス菌は腸内の善玉菌の代表です。腸内における有害菌の比率は低いに越したことはなく、特に高齢者の方は外部からビフィズス菌を摂取することで、近年、急増している大腸がん予防はもちろん、極めて有効な腸管老化防止策となることは間違いありません。

齋藤忠夫(さいとうただお)
東北大学名誉教授。1952年東京都生まれ。82年東北大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。2018年より東北大学名誉教授。専門は畜産物利用学および応用微生物学。日本酪農科学会会長などを歴任する乳酸菌研究の第一人者。

週刊新潮 2022年4月28日号掲載

特別読物「『乳酸菌』だけでは不十分 高齢者は必須『大腸がん』予防したいなら外部から補給 『ビフィズス菌』製品を徹底比較」より

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